オールコネクトの挑戦
多角化と地域振興事業が描く未来
- 第四事業本部 本部長 T.N.

通信事業から地域振興事業へと挑戦の幅を広げるオールコネクト。その中心には、「社会をにぎやかにしたい」という熱い想いがありました。地元福井での成功事例を通じ、地域特性を活かした取り組みを全国に広げていく試みが進行中です。ONE PARK FESTIVALやプロバスケットボールチームの運営を通じて地域に活気をもたらし、社員自身も新たなキャリアや成長の機会を得ています。地域住民や行政との信頼を築きながら、地方創生の未来を切り拓くオールコネクトの挑戦、その魅力に迫ります。
オールコネクトの多角化と地域振興事業への挑戦
インタビュアー:
オールコネクトは通信事業で知られている企業ですが、近年、多角化を進めていますよね。この変化について、具体的にどのようなビジョンを描かれているのでしょうか?
T.N.:
当社はもともと通信事業を主軸にしていましたが、現在は通信事業と並ぶ、第2の柱を作る意気込みで地域振興事業に注力しています。“社会をにぎやかに”するという企業理念に基づき、“地域をにぎやかに”していく。そんな事業に挑戦している次第です。
インタビュアー:
通信の会社からそのような方向に舵を切る際、どのような見られ方を期待しているのでしょうか?
T.N.:
確かに、「通信の会社が地域振興事業を手掛ける」と聞くと違和感を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、地域社会を活性化させることは、民間企業としての責任でもあります。事業として成功するかを前提にしつつ、社会に貢献できる形を模索しています。地域振興というのは、単に一つの地方を盛り上げるだけでなく、他の地方にも横展開していく過程で、日本全体をより良くするための重要な要素だと感じています。
インタビュアー:
具体的に地域振興事業を進める際に最も重要視している点は何でしょうか?
T.N.:
重要なのは、その地域の特性を理解すること。地元で共に挑戦してくれるパートナーを増やしていくことだと思います。地域課題は共通する点は多いものの、とはいえ地域にはそれぞれ異なる文化や課題があります。福井での取り組みが成功しているのは、その地域の特性を理解し、行政の方々や地元企業の方々と密に連携してきたからだと思います。

福井を拠点にした地域課題の解決と全国展開の可能性
インタビュアー:
地域振興事業は主に福井を拠点に展開されているようですが、福井での取り組みに集中する理由は何ですか?
T.N.:
まず、当社の本社が福井にあるので、そこから展開しています。地域振興事業は、その地域をにぎやかにすることが目的ですので、まずは福井を中心に成功事例を多く作ること。福井で成功した取り組みは、細かい調整は必要なものの、他の地域でも適用できると考えています。
インタビュアー:
例えば、福井での課題は他地域でも共通する部分が多いのでしょうか?
T.N.:
そうですね。実際、若者流出による人口減少など、福井での課題は他の地方でも共通するようなものが多くあると思います。例えば、子会社オウデムで展開している音楽フェスONE PARK FESTIVALの活動は、福井だけでなく2024年には岐阜県でも展開をさせていただきました。もちろん、2日間のイベントで課題解決が全て出来るわけではないものの、地元に誇れるものを地元の方々と時間をかけて作り上げる過程や、イベントをきっかけに地元に帰ってくる若者もいるかもしれません。
移動式ディズニーランドじゃないですが、誇れるコンテンツがそれぞれの地方へ展開されていくような状態を目指しています。その中で、地方ごとに異なる特色やニーズもありますので、そこを踏まえた上で柔軟に対応することが重要だと思っています。
インタビュアー:
福井での取り組みを全国に広げる際、課題になる部分はありますか?
T.N.:
課題として例えば、人材の確保や現地の方々との信頼関係の構築がとても重要になります。コンテンツを作る過程には地元の方々、行政の方々の協力が必要不可欠ですので、最初の体制構築が課題としては考えられます。これらは地道な努力が必要ですが、成功すれば1つのイベントをきっかけに、その地方での別の取り組みなどにも繋がるので、大きな成果が得られると思います。

地域振興事業がもたらす社会的・経済的影響
インタビュアー:
具体的には、地域振興事業がどのような社会的・経済的な影響をもたらしているのか教えてください。
T.N.:
福井の2024年ONE PARK FESTIVALでは、2日間で約13億円の経済波及効果を生み出しました。また、福井では福井ブローウィンズというプロバスケットボールチームの運営も行っており、B3初年度に関しては、観客動員数も年間約7万人弱とB3初年度のクラブとしては過去最高の数字となり、こちらも約28億円の経済波及効果を発表しております。
こういった数字もありますが、何より興行当日の景色が、これまで福井にはなかったような盛り上がりが作れていると思います。コンテンツをきっかけに、家族や会社の方、友人と日常でも共通で話せる話題が増えていく。そんな影響をもたらせているのではないかと思っています。
インタビュアー:
行政や地元企業との関係性にも変化がありましたか?
T.N.:
はい、行政との連携は非常に増えていますし、スポンサー企業とのつながりも広がっております。これまで通信事業の展開では繋がることのない、他業種の方々との連携も生まれています。これは、会社にとって今後いろんな事業を展開していく上で可能性がさらに広がりますし、財産だと思います。
インタビュアー:
地域住民の反応はどうですか?
T.N.:
とてもポジティブに受け取ってくれていると感じています。イベントに参加した方々からは、「こんなに人が集まる場が地元になかった」「地域が活気づいている」という声を多くいただきます。また、イベントをきっかけに新たなコミュニティが生まれることもありますので、地域振興事業の大きな成果だと思っています。
社内文化と個人の成長を促す多角化の影響
インタビュアー:
地域振興事業が社員や社内文化に与える影響についてはどうでしょうか?
T.N.:
地域で起きていることと同じように、社内でも共通言語で話せる要素が増えており、コミュニケーションとしても活性化しているかなと思います。また、社内のフリーエージェント制度を利用して地域振興事業に挑戦したいという社員も増えています。新しい分野でもあるので、個々の成長やキャリア形成の幅も広がっています。
インタビュアー:
具体的にはどのような経験が得られるのでしょうか?
T.N.:
通信事業とは違う、別分野だから得られる現場での経験はもちろん、地元企業の方々との関係性も増えますし、その中でいろんな考え方に触れ、成長できるタイミングは非常に多くあると思います。もちろん、泥臭い部分も多いですが、その中で得られる達成感は経験したメンバーの財産になると思います。
インタビュアー:
多角化が社員のキャリアパスにも影響を与えているのですね。
T.N.:
そうです。多角化により、社内でのキャリアの選択肢が増えています。新しい分野に挑戦したいという社員もいると思いますので、オールコネクト内で転職活動のような経験が出来る。そんな環境になってきているかなと思います。
インタビュアー:
具体的に、地域振興事業が社員の働き方や意識にどのような影響を与えていると感じますか?
T.N.:
働き方や意識に関して言えば、社員がより主体的に動くようになったと感じます。中には自分が育った街で、その課題を解決するために必要なことを自ら考え、提案するという点に誇りをもっているメンバーもいますので、それぞれが主体的に考え、行動する文化が少しずつ生まれています。

オールコネクトの挑戦が
地方や企業社会に与える可能性
インタビュアー:
オールコネクトが地域振興事業に取り組む意義について、どのように捉えていますか?
T.N.:
我々は、地方の課題に真正面から向き合い、全力で取り組む企業でありたいと思っています。そして、私たちの取り組みが他の企業や自治体の参考となり、共に向き合ってくれる仲間を増やすきっかけになればと考えています。
インタビュアー:
具体的には、どのようなビジョンを描いていますか?
T.N.:
地方における課題解決は、官民一体の取り組みが必要です。私たちはその先陣を切り、モデルケースを作ることで、他企業や自治体が追随できるような流れを作りたいです。我々だけでは出来ないことでも、多くの仲間が増えることで実現できることも多々ありますので、その結果として、地方全体が活性化し、社会全体がにぎやかになることを目指しています。
インタビュアー:
具体的に、他企業や自治体との連携はどのように進めていますか?
T.N.:
連携の第一歩は、信頼関係を築くことです。そのためには、行政や地元企業との定期的な対話の場を設け、共通の目標を共有していくことから始めています。会話の数を増やすことからですね。
インタビュアー:
最後に、オールコネクトが描く未来像について教えてください。
T.N.:
地域振興事業は社会をにぎやかにする手段の一つです。福井での成功を基盤に、全国の地方において同じような取り組みを展開したいと考えています。そして、これらの活動が我々と共に挑戦してくれる仲間を増やし、持続可能な地域社会を築く一助となることを狙っていきます。また、私たちの取り組みが他の企業にも影響を与え、多くの地域で同じような動きが広がれば、それが本当の意味での社会のにぎやかさに繋がると信じています。
インタビュアー:
本日は貴重なお話をありがとうございました!