坂井市×福井県立丸岡高等学校×福井ブローウィンズで築く“唯一無二の学び”　― 若者の県外流出課題に挑む 、地域と連携したキャリア教育 ―

2024年4月、ALL CONNECTがオーナー企業を務める福井ブローウィンズは福井県坂井市と「包括連携協定」を締結しました。

その後、福井県が直面する大きな課題「若者の県外流出」を解決すべく、坂井市の福井県立丸岡高等学校をモデル校に指定し、2025年３月、福井県坂井市・丸岡高校・福井ブローウィンズが「キャリア教育授業連携協定」を結び、地域・学校・企業が一体となった新しい教育プロジェクトをスタートさせました。

―地元地域と学校、そして企業が関わるキャリア教育

「若者の県外流出」の要因の1つとして、福井にある企業をよく知らないまま県外の大学へ進学し、就職活動の際に福井で働くことが選択肢に入っていない、ということが考えられます。

そこで、この取り組みは、「高校在学中に10社以上の企業を知る機会を創出する」というコンセプトのもと、キャリア教育授業を通じ“社会のリアル”を学べるカリキュラムを丸岡高校が独自に展開する学校設定教科「みらい」の一環として設定。
地元企業について“授業”の中で働く人、会社の雰囲気、仕事内容、会社の課題などを知る経験を積むことができます。

福井ブローウィンズのパートナー企業様にご協力いただき、地元企業と学校の繋がりを実現。
企業ワークの1つでは、生徒たちが実際にパートナー企業様を訪問し、現場で直面しているリアルな課題を企業担当者から直接共有いただき、その課題の背景まで深く理解したうえで、「どうやったら解決できるのか？」を生徒自身が考えます。
ディスカッションを重ね、チームごとに提案書を作成し、最後には企業の担当者へ直接発表。実際にフィードバックをいただくことで、社会の課題解決プロセスを体感できるプログラムです。

こういった地元企業と学校が一緒になって生徒を育てる、生徒たちにとっては福井の企業を知る機会・関わる機会を通し、　“福井で育った若者が福井に定着する”　そんな未来を目標としています。

―地元企業で働き、社会を学びながらお金を稼ぐ『就労探究講座』を実施

福井県内ではアルバイトを原則禁止としている高校が大半を占め、生徒が在学中に“働く”経験を得る機会はほとんどありません。そのため、若者と企業との接点は限られ、地元地域や社会に触れる場が少ないまま、卒業後に県外へと進学・就職してしまうケースが少なくないのです。

そんな中、この取り組みでは実際に福井の企業で働き、お給料を得ながら学ぶ「就労探究」の機会を設けています。授業の一環として、福井ブローウィンズのパートナー企業様で就労探究を行い、実際の業務をすることで、就労先の企業をより深く知ることができます。

実際に「就労探究講座」に参加した生徒17名のアンケートでは全員が「就労先の印象が良くなった」と回答。企業の中で就労の経験を積むことで、生徒たちそれぞれが、地元地域・社会に触れ・理解を深める機会を創出。将来における、福井への定着やUターン就職を促します。

―先生が想う“地域で働く大切さ”

実際にこの「就労探究」について丸岡高校の魅力発信プロジェクトチーム代表のY 先生の声を聞いてみました。

Q. 地域企業で働く、就労探究について
僕は教員になった頃から、「地域を教材にしたい」と考えていました。教科書に書いてあることだけではなく、地域そのものを学びの場にしてほしいです。
生徒たちが教室の外に出れば、学べることは本当にたくさんあります。様々な人と出会い、地域からの学びを大切にしてほしいと思っていました。

Q. 地域や企業からの反応を受けて、感じたことは？
ある日、就労探究で生徒がアルバイトに行く地元病院に通われている方から電話をいただきました。
新聞でこの就労探究の取り組みについての記事を読んでから「ワクワクが止まらなかった」とおっしゃってくださって。
自分の子供でもそうですが、保育園や小学校に実習生が来ると児童がすごく喜ぶように、高校生が地域で活躍することも、地元の方々にとって嬉しい出来事なんだなと実感しました。
病院の方からも「高校生が来てくれると助かる」という声をいただき、地域の人にとっても、生徒自身にとっても、とても良い機会になっていると感じています。

Q. 今後、この取り組みで期待することは？
もちろん意図するところは人との出会いがありますが、社会が今度は丸岡高校にも期待してくれるってのもあるし、生徒たちが、社会に生きる必要さを学んでくれるということもありますよね。
生徒たちに、「社会に生きるってこういうことなんだ」と伝えるときに教師は、社会は難しいとか社会は厳しいとか言いがちですが、社会は楽しかったり、思ったよりも助けてくれたりとか、多様な人いたりとか実際の社会を学んでほしいですね。

―今後の地域と連携したキャリア教育の取り組み

今回の取り組みは、生徒にとって地域の魅力を再発見する学びの場であり、地域にとっても若者とつながる新たなきっかけです。
学校・地域・企業が一体となることで、福井で学び・育った若者が「この地で生きていきたい」と思える環境が少しずつ形になっていく。
今後も地域と連携しながら、若者が『福井で生きたい』と思える環境づくりに貢献していきます。

■キャリア教育授業連携協定　

福井県坂井市
市長：池田 禎孝
本庁所在地：福井県坂井市坂井町下新庄第1号1番地
URL：https://www.city.fukui-sakai.lg.jp/

福井県立丸岡高等学校
校長：磯野 和之
所在地：福井県坂井市丸岡町篠岡23号11番地1
URL:https://www.maruoka-h.ed.jp/

株式会社福井ブローウィンズ
代表取締役：湯本 眞士
所在地：福井県福井市栂野町第15号1番地2
URL：https://www.fukuiblowinds.com/