坂井市×福井県立丸岡高等学校×福井ブローウィンズの連携キャリア教育 ― 就労探究で広がった高校生の未来とは?

2025.09.29
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2025年3月、ALL CONNECTがオーナー企業を務める福井ブローウィンズと福井県坂井市・福井県立丸岡高等学校が 「キャリア教育授業連携協定」を結び、福井県が直面する大きな課題「若者の県外流出」を解決すべく、地域・学校・企業が一体となった新しい教育プロジェクトをスタートさせました。
取り組みの詳細はこちら


このプロジェクトでは生徒たちが教室を飛び出し、授業の一環として福井ブローウィンズのパートナー企業様の元で働き・お金を稼ぐことができる「就労探究」があります。
本記事では、実際に就労探究を行った、丸岡高校の生徒の声を紹介します。



≪インタビュー生徒≫

(左)Nさん 
丸岡高校1年生 就労先 :福井放送株式会社 子供向けイベント「リトルプラネット」
(真ん中)Eさん
丸岡高校1年生 就労先: 医療法人 至捷会 木村病院
(右)Kさん
丸岡高校2年生 就労先:株式会社カンパネラ 「Park Coffee & Bagel」

就労探究に応募した理由と就労先での1日

インタビュアー:
就労探究お疲れ様でした!今回、実際に地元の企業で働ける話を聞いて、皆さんどんな理由で応募しましたか?

Kさん:
僕は学校での活動で食品を作っていて、今回応募した就労先のカフェが自分の行っている活動の学びになるといいなと思い、希望しました。

Nさん:
私は単純にお金が欲しかったのと、働いてみたくて。だけど、学校がアルバイト禁止で働くことができないのでせっかくならこの機会にやってみようと。将来、子供と関わる仕事がしたいと思っていたのでそれができる福井放送さんのリトルプラネットを希望しました。

Eさん:
私は物心ついたときから、看護師になりたいなと思っていて、木村病院さんに応募しようと思ったのですが、一度お母さんにも相談してみて、いい機会だからやってみなよって背中押してもらえたので応募しました。

インタビュアー:
お金や将来の夢、学びの延長…理由は違っても“やってみたい”という思いがあったのですね。看護師が将来の夢だと、働いてみて、実際にイメージつきましたか?

Eさん:
そうですね、思ってたより本格的な仕事をさせてもらったので、最初は慣れなくて大変でしたけど、どんどん看護師さんとコミュニケーションもとれるようになって…。「ありがとう」とか感謝の言葉を言ってもらえると嬉しかったし、やりがいを感じました。

インタビュアー:
人に感謝してもらえると、やっぱり嬉しくなりますよね。本格的な仕事をしたとのことですが、実際にどんなことしました?

Eさん:
患者さんのおむつ替えとか、体が不自由な方のお顔拭き、車いすで食堂までお連れして、お食事の見守りだったり…。メッセンジャーといって、薬を各階に運んだり、あと手術室を見せてもらえました!


インタビュアー:
それはすごい!どうでした?手術室は!

Eさん:
ドラマみたいでした(笑)

インタビュアー:
良い経験できましたね~!最後の方、患者さんともお話しできました?

Eさん:
はい!沢山お話して、1日ずっと一緒にいると私を覚えてくれて!嬉しかったですね。

インタビュアー:
それは嬉しいですね!本格的なお仕事させてもらえたんですね。
Nさんはどんなお仕事しましたか?


Nさん:
私は福井放送さんが行っていた「リトルプラネット」という子供向けのイベントでのお仕事だったのですが、来ているお客さんに遊び方の説明だったり、最終日は受付もさせてもらったんですけど、めちゃめちゃ緊張して!!

インタビュアー:
なんで緊張しました?

Nさん:
だってお金って大事じゃないですか…!それを扱うのに緊張したんです!

インタビュアー:
お金の大事さ、良い学びしていますね~!
Kさんはどんなお仕事しました?

Kさん:
カフェでの最初の仕事は、レジの補助をするところから始まって。他には、ドリンクの注文が入ったらカップに氷を用意したり、コーヒーも作らせてもらえました!
あとはイベントがあったので、その準備でベーグルをラップで包んだりも。


インタビュアー:
大変だなって思うことありました?

Kさん:
はじめは、空気を入れずにベーグルをラップで包むことが難しくて…。店長さんに指導してもらったり、他の先輩達からやりやすい方法教えてもらえてからどんどんできるようになって!

インタビュアー:
すごい!成長を感じたのですね!
Kさんのこの就労探究後のアンケートで印象的だったのが「自分の接客面が残念に感じた、声が小さかった。ここを改善して接客したい」と、向上心のある事書いてくれていて!

Kさん:
そうですね。慣れている人には普通に話せても、接客の時は自信なさげな声になってしまって。あと店長さんにも、「いらっしゃいませ」とか「ありがとうございました」も大切だけど、仲間の後ろを通るときにも「失礼します」って大きな声で言わないと意思疎通できないんじゃないかな?って教えてもらえて。そこはこれから改善したいなって思いました。

インタビュアー:
働くことでいろんな学びを得てますね…!皆さん良い経験してくれていて嬉しいです!



緊張から自信へ――就労探究がくれた成長の実感 


インタビュアー:
実際働いてみてどんな気分でした?緊張したり、楽しかったり、色んな感情があったと思うのですが…!

Kさん:
基本はじめての経験だからワクワクしていて…!終わりが15時だったんですけど、もっとやりたかったってなりました。楽しくて、時間がすぐ過ぎていく感じで!最後の業務も、袋のチョコレートをひたすら切っていく作業だったんですけど、自分的にはすぐ終わっちゃうように感じましたね。


Nさん:
私は入った瞬間から、やばい!緊張!って感じだったんですけど、働いていると色んなスタッフの方が話しかけてくれるんですよ!そこから緊張が解けてきて…。
あとは仕事中に、お子さんには話しかけられるんですけど、その親御さんにも話しかけた方がいいのかな?と思って、そこはちょっと勇気がいりました。
子供に注意するのも苦手だったんですけど、一緒に働いてるスタッフさんに助言もらって、私もこんな大人になりたい!憧れるなあ…って思いました。

Eさん:
私も緊張していて。普段あまり大きい病院に行くことがないから、早めに着いたけど玄関でうろうろしていて…。そこに受付の方が声かけて下さって入れた感じで。
働いてるときは、耳の遠い患者さんにはどれくらいの声の大きさで話しかけたらいいんだろう?とか、顔を拭くのにもどのくらいの強さだろう?って試行錯誤して。
あとやっぱり肉体的にも疲れましたね…けどやっているうちにだんだん慣れてきて、最終日は時間経つのが早かったです。

インタビュアー:
それぞれ緊張しながら、考えながら働いていたんですね。
今回の就労探究、学校での勉強と、また違った経験だったと思うんですけど、働くことを通して学んだことって何かありますか?

Kさん:
学校って、先生の話を聞くことが多くて、実際に体験したりする機会って少ないじゃないですか。なので今回の就労探究は働いて、それでお金も貰えるって経験だったんで、ちゃんと責任感が養われた気がしますね。お金を得る分、「しっかり真面目にやらなきゃな」って気持ちになりました。学校の道徳とか、他の授業よりもより責任感が芽生えた気がします。

Nさん:
普段学校で、先生とはプライベートの話ってあまりできないじゃないですか?
だけど今回、いろんな年齢の方とお話して、人それぞれの生活とか仕事、人生の話を聞いたりできて、「働くっていいな」ってなりましたし、今回子供と接する機会が多くて、親御さんの大変さを全部分かったわけではないけど感じられたので、将来こんな感じになるのかなって想像できました。
沢山の方とお話して、こんな大人になりたい!って思う人たちにたくさん出会いました。


インタビュアー:
普段はお父さんお母さん、学校の先生くらいしか大人と関わる機会ってないですもんね。
色んな人と出会えて、社会人の話を聞けたのが、良い学びになったと。
Eさんはどうでした?

Eさん:
結構本格的な仕事で疲れたんですけど、お金を稼ぐ大変さがこの仕事で分かって。普段お母さんが、仕事終わって洗濯物したり、ご飯作ったりしているのがすごいな、感謝だなって思いました。私はすぐ疲れて寝てしまっていたから。より、ありがたさを感じました。

インタビュアー:
感動しました…(笑)ありがとうございます。
ちなみに、この就労探究について、皆さんの親御さんはどんな反応でした?

Kさん:
親が「もっと働く経験は積みなさい」と言っていて、今回の就労探究も「応募したい」と伝えたら賛成してくれました。就労後には、今回注意されたところでもある、『大きい声で話す』とかも、「経験を通して課題を見つけて、改善してから働きに出なさい」と言われましたね。

Nさん:
働く前は、就労探究応募したいって伝えたらお父さんもお母さんも賛成してくれて。働いた後は、家でいろんな話をしていたら、お父さんと「そういう仕事向いてるんじゃない?」という話にもなって。そう言ってもらって、自分の中で自信にもなったし、今将来なにがしたいとか考えている途中だから、先のことが考えやすくなった気がしました。

Eさん:
私ははじめ、親に就労先候補を全部見せたんです。お母さんはカフェもいいんじゃない?とか将来につながる病院もいいねって言ってくれて。最終的に、私の好きなようにしなさいって言ってもらえたので、病院を選んだんですけど、交通手段どうする?という話になって。当日はお父さんが送り迎えしてくれたんですけど、すごく感謝しているし、やっぱり背中押してくれたから今回応募できたって思います。

インタビュアー:
なるほど、皆さん親御さんと将来の話をしたり、働くことについての話をするきっかけになったりしたんですね。

体験して分かった“リアルな社会” そして、自分の将来の行く先は?

インタビュアー:
ところで、今回働く先の会社のことって元々知っていたり知らなかったり、色々あったと思うんですけど、実際に働いてみて印象変わったりとかってしましたか?

Kさん:
僕は、最初ベーグル屋さんってあまり見たことないなあと思っていて。そもそもパン屋さんと変わんないのかな?とか思っていたんですけど、実際働いた後にベーグル買って、食べたりもしたんですけど、ベーグルに対する印象が180度変わりましたね!弾力もあって、味もしっかり分かりやすくて…実際に自分で作ってみたいなとも思いましたね。

インタビュアー:
すごい!職人さんみたいですね!(笑)

Kさん:
自分自身食べ物が好きなので!そういう会社のところに行きたいなって思っていたんですよ。

インタビュアー:
なるほど!いつか将来食べさせてくださいね!
Nさんはなにか印象変わりましたか?

Nさん:
私はもともと福井放送さん=テレビの会社だと思っていて、ずっと忙しそうでコミュニケーションもあまり取らなさそうってイメージがあって。それで今回子供向けのイベントをやっていて、実際働いてみたら、たくさんコミュニケーションとるし、皆さん明るいなって!
ひとりで黙々と仕事するイメージでしたけど、全然違いました!

Eさん:
看護師さんたちは、みなさん仲良く、優しくしてくださって職場の雰囲気が良かったです!
病院は、ドラマとかを見ていて、実際の大変な部分とかってあまり映っていないから、実際働くとやっぱり大変でしたね!ずっと立って仕事するので椅子に座れる幸せを感じました(笑)

インタビュアー:
そっかそっか、病院だとずっと動いて立ち仕事が多くなりますもんね。
今回、皆さんそれぞれ、実際に働く経験をしてもらったと思うのですが、将来就職するときって福井を考えていますか?それとも県外か、まだ決まっていないかもしれませんが、今考えていることってありますか?

Kさん:
一応、福井で考えていますね。そもそも旅行が好きなので、福井に住んで色々なところに旅行しに行きたいっていう考えがあります!

Nさん:
私は県外がいいなって思っています。でも、そのやりたいことを決めてそれに合ったところに行きたいから、別に福井でも県外でもどっちでもいいかなあ。

Eさん:
私も旅行で都会に行って楽しいなあ、いいなあとか思ったりするんですけど、騒がしいよりも落ち着いたところの方がいいから福井もいいなって思っています。


インタビュアー:
なるほど、県外への憧れもありつつ、福井での将来も考えられているんですね。
最後に、今回の就労探究は、お給料が貰えたと思いますが…皆さん、なにか使いました?

Kさん:
いや、まだ使っていないです!使おうとしたんですけど、将来のために貯金しておきなさいって言われて。たしかにその方が役立つかなと思って、まだ使ってはないですね。

Nさん:
私も初めて働いたお金だし、まだ使っていないですけど……使っちゃうと思います!
色々買いたかったものがあって、昨日注文したところなんです!それに使おうかなぁ…!

インタビュアー:
お、何注文されたんですか?

Nさん:
化粧品とか…トリートメント!

インタビュアー:
トリートメントって案外高いですもんね~なるほど!Eさんは?

Eさん:
はじめ給料明細が書いてある紙を見たときにうわぁ頑張ったなぁと思ったし、交通費のところも金額書いてあって、送り迎えしてくれたお父さんが、「これお父さんの分じゃない?」とか冗談言いあったりしました(笑) お母さんは、自分で稼いだお金だし、好きなものに使っていいよって言ってくれています。

インタビュアー:
自分で初めて稼いだお金、いざ見ると感動しますよね!また何に使ったか教えてくださいね!
皆さん働く経験を経て、いろんな学び・気付きを得れていてこちらも嬉しくなりました!
3人とも、ありがとうございました!


■インタビュー協力

福井県立丸岡高等学校
校長:磯野 和之
所在地:福井県坂井市丸岡町篠岡23号11番地1
HP:https://www.maruoka-h.ed.jp/

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