2025年7月、NNコミュニケーションズが新たにクラウドPBX「TELENEAR(テレニア)」をリリースした。
これまで光回線などの通信サービスの代理店業を中心に行ってきた同社がなぜ今クラウドPBX市場へ参入したのか。
「TELENEAR」の誕生秘話や想定するターゲット層について、NNコミュニケーションズ営業本部・取締役本部長村上洸星氏に直接インタビューを実施した。
「TELENEAR」の導入メリットや、NNコミュニケーションズが描くクラウドPBXの可能性、今後の展望まで詳しく伺う。

村上 洸星 氏
Murakami Kousei
株式会社NNコミュニケーションズ 営業本部 取締役本部長。東京都出身。
初めはコールセンターの架電担当として派遣で入社し、光回線の代理店業の受付業務を担当。2023年6月より代理店事業部課長として入社し、同年12月部長に昇格。2024年12月より営業本部 取締役本部長として代理店事業・TELENEAR・BizTAPの3つの事業を管理している。趣味はPCゲームと音楽鑑賞。
クラウドPBXサービス「TELENEAR」誕生のいきさつ

編集部2025年の7月に「TELENEAR」の提供を開始されましたが、クラウドPBX業界に参入するにあたって完全に「新事業」として始めたのか、 それとも何か基盤があった上でスタートしたのか、経緯をお伺いできますか?



2024年11月に弊社は、株式会社プロディライト(大阪府大阪市)の子会社となりました。
子会社化に至った理由として、まずプロディライト社が提供していたクラウドPBXサービス「INNOVERA」があり、さらに顧客層を拡大していく上で弊社が携わる光回線などの代理店事業のWebを使った販売方法に注目していただいたという点があります。
プロディライト社のクラウドPBXサービスの販路を弊社のWebでの集客手法を使って広げていきたいということで、子会社として今回の「TELENEAR」のリリースに向け準備を進めて参りました。



プロディライト社と子会社化の契約を結ぶことになったきっかけがまず、クラウドPBXにあったということですね。



そうですね、私が聞き及んでいるところで言えば、プロディライト社で提供しているクラウドPBXサービス「INNOVERA(イノベラ)」のメインターゲット層が比較的大規模な法人様で、小規模の法人や個人事業主に向けてのアプローチが課題となっていたようです。
その解決方法として、 弊社の代理店事業部が持っている通信回線のWeb販売やアフィリエイトなどの手法を展開していくことで「相乗効果が生まれるのではないか」というところから子会社化の話が始まったと聞いております。



ありがとうございます。
プロディライト社と連携することによって、クラウドPBXという新事業に向かっていったという形ですね。



そうですね、昨年11月に子会社化したと同時に新たなクラウドPBXサービスのリリースに関する打ち合わせもスタートしており、今後の方針なども決定していきました。



子会社化から約9か月ほど準備を重ねて、リリースにこぎ着けたということですね。
サービス開始までは何名ほどのグループでプロジェクトを進めてこられましたか?



最初は私一人でしたが、今年に入ってからはもう1人増えて、現状2人でプロジェクトを進めています。
ただ、専属の部門・部署としてやっているというより、代理店業務や回線販売のコールセンター担当のスタッフもいますし、 Web制作やブログ作成のスタッフや事務処理を行うスタッフなど、社内でそれぞれ業務を担当し、事業部の垣根を超え社員一丸となってリリースまでやってきたというところです。
プロディライト社の「INNOVERA」とNNコミュニケーションズの「TELENEAR」の関係性


プロディライト社が提供する自社クラウドPBXサービス「INNOVERA」の販路拡大の方法として、NNコミュニケーションズを子会社化し、「TELENEAR」が誕生した。
ただし、「INNOVERA」と「TELENEAR」は基本的には別のサービスとして、2社それぞれで展開していく。



プロディライト社で提供されるPBXサービス「INNOVERA」とNNコミュニケーションズの「TELENEAR」、この2サービスの関係性や2軸で展開していく理由もお聞かせください。



プロディライト社が提供する「INNOVERA」は中規模から大規模の法人様、よくあるお客様としてはコールセンターを持っているような企業様にクラウドPBX導入のシステムを販売するのがメインとなっています。
ただ、小規模の法人様や個人事業主様に向けて展開する場合に、費用面や営業面で難しい側面もあったようです。
そこで弊社の代理店事業部の強みであるWebでの集客や、小規模のお客様に向けた独自のプランを提供することで、課題解決につなげるというのが2サービスをそれぞれ提供する目的です。
具体的には1法人様で契約されるIDが5つ以上であれば親会社の「INNOVERA」で、5つ以下であれば弊社でカバーしていくという戦略を展開していこうと考えています。
代理店事業から自社サービスの展開という新たな挑戦



「TELENEAR」のリリースに向けて開発や準備を進められた中で、苦労された点などはございますか?



弊社は子会社化するまで、光回線を中心としたインターネット回線の「代理店事業部」と、携帯電話の基地局アンテナを設置する工事事業の2本柱で展開していました。
社内でも「自社サービスの提供を新たに行いたい」という話はあったものの、現実的に形にするまでには至らなかったという経緯があります。
今回、プロディライト社の協力のもと「TELENEAR」を提供することになり、サポート面では親会社の方々や社員も力を貸してくださいましたが、「自社のサービスを作る」ということが初めてで分からないことも多く、最初の方は苦労しました。



具体的にはどういった部分が自社サービスを提供する上で大変でしたか?



サービスを提供する上での約款や契約書を一から作成しなければならないという部分が、特に苦労しました。
お客様から申し込みを頂いてから何を確認しどこに格納するのかというフローの構築、特定商取引に関する法律面での確認や取り決めなど、サービスを提供する上で大切なバックエンドも真っ白な状態から作っていったのが大変でしたね。



例えば法律問題ですとか、そういったことは専門家の方にアドバイスを受けて解決していくような形ですか?



そうですね。
法律問題に関してはプロディライト社の法務部の方々と連携しながからアドバイスやご指摘をいただきましたし、既存の「INNOVERA」のサービス約款や規約も参考にしながら、リリースに至ってたというところです。



御社としては新しい自社サービスとして「TELENEAR」をリリースされたわけですが、親会社プロディライトが提供する「INNOVERA」のOEMとして、手続面などのサポート、サービスに対する知見があるというのは安心できた部分ではないでしょうか。



そうですね。新番号の発番一つとっても、プロディライト社が長年培ってきたノウハウがあるので、弊社でいただいた申し込みでも番号申請は親会社の方で手続きをしてもらいますし、完全にフォローが入っています。
万が一のトラブルやミスがないように親会社の方で「何かがあった場合は差し戻しをして止める」ということが可能なので、ダブルチェック体制が整っているのはお客様にも安心いただける点かと思います。
「TELENEAR」は個人の接骨院の院長さんや車屋さんの社長さんといった決裁者ご本人が直接問い合わせを下さるというケースが非常に多く、意思決定も早いのですが、直接弊社のスタッフが電話などでお話させていただいて不安を解消したり、何かあっても親会社と連携してフォローしていけるのは大きな強みです。
発番手続きだけでなく技術的なエラーや顧客対応についても、困ったことがあれば逐一プロディライト社の担当者の方々と相談をし、アドバイスをもらって対応していくというフローができているので、助かってるところですね。
「TELENEAR」のサービスとは?シンプルさ・分かりやすさが強み


小規模の法人や個人事業主に向けたサービスを意識して開発された「TELENEAR」。
具体的には、美容室や整体院など予約の電話が多くかかってくる店舗や、移動が多くても市外局番付きのオフィス番号を利用したい士業や個人事業主、多拠点で展開する中小企業などを想定しているという。
必要最低限の機能で費用を抑える



「TELENEAR」を小規模法人や個人事業主に気軽に利用してもらうために、工夫した点はありますか?



大規模法人をメインターゲットにしているプロディライト社の「INNOVERA」はクラウドPBXとしての機能もかなり充実しているのが強みです。
一方で「TELENEAR」は機能面を事務所や個人事業主の方が便利に使えるものだけに絞って、必要最低限にすることで費用を抑えるという点に注力しました。
初期導入費用や月額の費用も含め、シンプルに持てるように取捨選択をしています。



「TELENEAR」がアプローチしたいターゲット層に向けて使いやすい内容でサービスを提供しているということですね。
現在、「3か月間は月額1,100円から利用できる」というキャンペーンも実施されています。
「月額1,100円だけ払えばとりあえず試せる」というのがシンプルですが、これはアカウント利用料とデバイス利用料が無料ということですか?



はい、その認識です。
お1人様で電話番号を1つ使われて、スマホ1台で使う場合が、月額料金が1,760円(税込)となります。
キャンペーンにより、アカウント利用料とデバイス利用料が無料になるかたちです。
■1企業で1番号を1台で使用する場合
| 項目 | 月額料金 |
|---|---|
| 電話番号利用料/1番号 | 1,100円 |
| アカウント利用料/1アカウント | 330円 ※3か月間無料 |
| デバイス利用料/1デバイス | 330円 ※3か月間無料 |
| 合計 | 1,760円 ※3か月間1,100円 |



月額1,760円という金額は社員様がお一人増えるごとに、×2、×3というイメージですか?



いえ、例えば「1企業様がスマホ3台で1つの電話番号を使いたい」という場合、電話番号は1つなので電話番号利用料は1,100円×1です。
アカウント利用料は企業様単位なので330円×1、 デバイス利用料は3台であれば330円×3になります。
■1企業で1番号を3台で使用する場合
| 項目 | 月額料金(1台目) | 月額料金(2台目) | 月額料金(3台目) |
|---|---|---|---|
| 電話番号利用料/1番号 | 1,100円 | - | - |
| アカウント利用料/1アカウント | 330円 | - | - |
| デバイス利用料/1デバイス | 330円 | 330円 | 330円 |
| 合計 | 2,420円 |



3つのデバイスで1つの電話番号を取れるようにしても、月額でかかる費用は2,420円~で収まるんですね!
それは導入のハードルが下がりますね。
「TELENEAR」が想定するターゲット層は小規模法人や個人事業主がメイン





クラウドPBXを導入する上で電話番号は1つでいいという企業様は、やはり小規模の事業所などが多い想定でしょうか?



そうですね、弊社が想定しているところではやはり小規模法人様や個人経営の美容室、居酒屋、車屋や工務店など「電話番号代表番号で1つでいい」けど「お店にいられない時間や作業中などに、何人かで電話を取れるようにしておきたい」という方に使っていただければと思います。
例えば、店舗に置いておく固定電話と代表の方のスマホの両方で同じ番号の電話が取れるというイメージが多いと思いますので、 電話番号を複数契約される方も少ないのではと考えています。
「TELENEAR」の独自性-シンプルさとわかりやすさにこだわった





他のクラウドPBXサービスと比べて、「TELENEAR」の独自性を挙げるとしたらどういったところにありますか?



1つは「シンプルかつ分かりやすい」という点にこだわっています。
「TELENEAR」のホームページを見れば、利用される方がとりあえずいくら払えばいいのかが表に出ているというのが特徴です。
他社のクラウドPBXでよくある「トータルで支払う費用が分かりにくい」という部分に対抗できると考えています。
また、光回線の代理店事業をしてきた中で、プランやオプション、キャンペーンなどの内容が最近は複雑化してきていると感じていました。
どのサービスにおいても、「このキャンペーンとこのキャンペーンは併用できない」「割引や別途かかる費用を含めると結局いくらかかるの」ということを、お客様がパッと見て分からないということも比較的増えてきていると思います。
クラウドPBXでも金額面やオプション、キャンペーンなど他社も必要な情報はすべて明示しているとは思いますが、弊社のブランディングとして「分かりやすく、シンプルな設計をする」というのがサービスの根幹にあるので、「ユーザーさんが見た時に、すぐ分かるようなものにしていく」というのは大事にしてます。



分かりやすいというのは、クラウドPBXの導入を初めて検討される方などにとっても安心ですね。



そうですね、初期導入費の部分で見ても他社では「初期費用が1~3万円、または年額でいくら」という費用がかかる場合もありますが、「TELENEAR」には原則的にありません。
最初にかかる費用としては、新たに電話番号発行する場合のみ発行手数料として1,100円~2,750円と、「預かり金」として15,000円をご入金いただくのですが、あくまでも預り金は申込み時にお預かりして1年間以上使っていただき、サービス料金の未収や滞納等がなければ解約時にお返しするものになります。
それ以外に初期導入コストがかからないのも、検討いただく上で強みではないかと思います。
また、「TELENEAR」ではユーザー様が使える「管理画面」を基本的に無料でお渡ししています。
他社のクラウドPBXで自由に設定などができる管理画面を有料オプションとして提供していることも多いですが、「TELENEAR」では無料で使えるのがポイントです。
例えば「通話録音」を日にちで絞ってソートし再生をする機能も標準の無料搭載でできますし、「設定を自由にいじれたり、通話に関する情報を気軽に見られる」ということが追加料金なしでできます。



クラウドPBXを提供する会社の中には、「社内で構築した光回線に別途機械を付けることで、光電話の番号をスマホで受発信できる」というサービスを販売しているところもあります。
この場合は「光回線の導入や開通工事をして、番号を発行した後に専用の機械を接続し設定をする」という手間や時間がかかります。
一方、「TELENEAR」ではスマホ1つで例えば個人事業主であれば運転免許証1枚あれば最短10日ほどで番号の発行までできますよね。
このスピード感も、他社にない強みなのかなと思います。



新しく固定電話の番号を発行する場合は、免許証や申込書をスマホなどでアップロードして送っていただくだけで、後はアカウント発行してすぐ使えます。
既存で会社の電話番号をお持ちの場合は番号移行の手続きにどうしても時間がかかるので、大体20日~1か月弱いただくのですが、今使ってる市外局番のエリア内であれば特別な事情がない限りそのまま引き継げます。
後はスマホにアプリをインストールしていただいて、弊社から届くIDやパスワードでログインしていただければ、利用される固定電話の番号での発着信がその日からできます。



本人確認書類や申込書もアップロードで可能ということは、Webで完結して利用ができるということですか?



はい、申込書を書いて社印を押していただく必要はありますが、それを写真に撮ってPDF化して送付いただけば問題ありません。
一部、口座引き落しで料金を支払われたいという場合には、口座振替依頼書の郵送をお願いする場合もありますが、サービス申し込みにおいては郵送の必要もなくすべてWebで行っていただけます。



申し込みから利用開始までの気軽さやスピード感は、初めての導入でも大きな魅力ですね。



そうですね、弊社の申込フォームも「問合わせ」と「申込」の2種類を設けておりまして、問合せの場合はチャット形式で気軽にやり取りができます。
申込みの場合でも申込み書や必要なものなどをチャット形式でお答えできるので、何か専用のツールを使わないとやり取りができかったり郵送したりということは基本的にありません。



新規で電話番号を発番していただく場合の、申し込み後の流れも詳しく教えてください。



まずホームページの申し込みフォームから手続きをして、書類や必要なものなどもチェックを入れて確認したら、申込み書に直筆で名前や会社名を書いて押印したものをアップロードしていただきます。
弊社で申込み書を受け取ったら、新規番号の申請を親会社のプロディライト側に出して申請手続きをしてもらい、発番したらシステムに入れてアカウントを作成して、お客様にお渡しするという流れです。
お客様から申込み書をいただけるタイミングにもよりますが、約10日ほど、早いケースだと4~5日ぐらいでご利用いただけます。
「TELENEAR」リリース後の反響



「TELENEAR」リリースから1か月ほど経過しましたが、お客様からどのような問い合わせやお声がありますか?



「TELENEAR」は14都道府県41番号の市外局番をお使いいただけるのですが、エリア外の方からの問い合わせも多くあります。
弊社に限らず、クラウドPBXを小規模向けに展開されてる他社様のサービスでも、北陸や中国地方などエリアに対応していない場所の方がサービスの内容を見てお問い合わせいただくケースは多いようです。
あとは、ホームページに費用を明記していることで「内容がすごく分かりやすくてよかった」という反響をいただいてます。



では、今のところお客様からのお問い合わせで何か解決すべき点というところではエリアのことですかね。



そうですね。
今後クラウドPBXを使っていただける方が増えれば、サービスを届けられる範囲も広がっていくのではないかと思っています。
NNコミュニケーションズが考えるクラウドPBXの可能性


NNコミュニケーションズがリリースした「TELENEAR」のクラウドPBXだが、実際のところサービス自体の認知度が低く、何ができるのかを理解している人が少ないという現状があるという。



クラウドPBXは、だいたいどれくらい前から出てきたサービスになりますか?



はっきりとはわかりませんが、この10年の間ぐらいで爆発的に増えてはいるサービスだと思います。
市場規模もこれから広がっていくと踏まえて、今回リリースに至った部分もあります。
ただ、クラウドPBXという言葉自体や、「スマホで固定電話が発着信できる」ということが、あまり認知されていないというのは強く感じます。
今までのこの20年のインターネット回線やスマホの普及の経緯などにも共通することですが、新しいサービスでもいつか当たり前になった時に皆が持っているものになっています。
例えば、交通系ICカードも登場した当初は皆、磁気定期券を使っていて「別にPasmoやSuicaじゃなくても乗れる」という人が多かったはずです。
しかし、スマホにも入れられるし使えるところも増えて、お金も出さなくても支払えるなど便利さに気が付いたときに今ではほとんどの人が持っている。
これは今のアナログの固定電話にも置き換えられて、「別に今使えていれば困りはしないし、変えなくてもいい」という方が多いですが、どんなサービスで何ができるか知ればやはり便利ですし、必要性を感じる人も増えてくると思います。
クラウドPBXの活用方法は法人・個人ともに幅広い



クラウドPBXの活用方法として、具体的にどのようなものが考えられますか?



今アナログの電話機を事務所や店舗に置いてる方ですと電話が鳴ったらそこまで走って取りに行くという動作があると思いますが、クラウドPBXを導入すれば手元のスマホでいつでも取れるし、誰からかかってきていてすぐに出る必要があるかもすべて分かります。
現在、クラウドPBXを導入する規模の大きい企業様ですと業務効率化を図る目的があって、そこに対応するのが今の市場観だと思いますが、個人の方々にもそういう使い方ができるというのが市場認知されていくといいですね。
既にクラウドPBXというサービスを知っている方も大規模の法人で導入するケースをイメージしている人が多いと思うので、導入費用や運用コストが高いと思われがちですが、「TELENEAR」なら費用も手ごろですし、気軽に使っていただけるということをまず知っていただきたいです。



クラウドPBXの認知度は仰るとおりまだ広まっていない部分はありますが、使い方によってはとても便利なサービスなので、知られていけば一気に利用者が増える可能性も十分ありそうですね。



そうですね、使い方としては先ほど申し上げた小規模の企業様や個人事業主様、店舗などはもちろんですが、例えば一人で生活されてる年配の方でも家に置いてある固定電話を「TELENEAR」にしてしまえば。 遠方に住んでるお母さんの自宅の固定電話を東京に住んでいる子供が出られるということも可能になります。
さらに、発着した内容も通話録音で聞けるので、詐欺などからご家族を守ることもできますし、今のこの時代にマッチする利用の仕方だと思います。
法人・個人問わず使い方も工夫ができるということが認知されれば、クラウドPBXは多くの方に受け入れられると確信しています。
クラウドPBXサービスの現状と課題



今後ますますニーズが高まっていきそうなクラウドPBXですが、サービスを提供するうえで課題となっていることはありますか?



クラウドPBXはスマホがインターネットにつながってさえいれば利用できますが、スマホで使う際の「環境の変化」は問題視している部分です。
例えば、Wi-Fi環境にいる人が4G LTE回線や5G回線で接続する環境に移動するというタイミングで、 電波の影響を受けるケースはあるようです。
現時点では、4G LTE回線で接続できる状態を基本的に推奨しています。
理由としては、4G LTE回線のエリアで全国カバー率がほぼ100%に近いので、切り替えが起きないよう設定しておくと電波の影響を受けず、オフィスから外へ出るタイミングにも途切れたり遅延が発生したりという状況にはならないという点があります。
クラウドPBXの良さでもある「定地点にとらわれない」という部分で、外出先や移動時にも使うことが多いという方は接続環境の変化に注視してお使いいただく必要があるというのは、これからのサービスしての課題なのかなと思います。
また、「TELENEAR」に関しては他社と比べても提供価格を安く抑えてクラウドPBXサービスを提供しているので、もちろん弊社としても収益を上げていきたいというところはあるのですが、実際にお使いいただくユーザー様に納得いただける形でサービスを展開することも重視しているので、そのバランス感がこれからの課題になっていくと思います。
「TELENEAR」とNNコミュニケーションズの今後の展望





「TELENEAR」の今後の展望としては、どのようにお考えですか?



「TELENEAR」を通して、クラウドPBXや「スマートフォンで固定電話の番号で発着信ができる」というサービスの認知がまだまだ高くないという現状を変えていけたらと思います。
そのためには市場の認知を上げ、クラウドPBXといえば「TELENEAR」と言われるようなサービスに成長させていきたいです。



今後は「TELENEAR」をどのようにアピールしていく予定ですか?



弊社が培ったWeb集客のノウハウとして、ブログやメディアといった媒体を使って集客をする方法やアフィリエイターさんに展開していただく方法という2軸で動いてきたので、自社のSEOを使ったマーケティングやアピール力を発揮していきたいと考えています。
特に個人事業主の方や小規模法人様は会社に関する手続きや利用できるサービスを決裁者ご自身で検索されたり対応されたりするケースが多いので、そこにリーチできるようなメディアやブログというのがクラウドPBXではまだまだニッチなワードになっているという部分に注目して展開を考えているところです。
「固定電話からクラウドPBXに切り替えるのが不安」だったりよくわからなかったり、「今までの番号が消えたらどうしよう」というイメージを払拭できるよう、さまざまな方法で認知度をまず上げていくことが大切だと考えています。



今後サービスの認知度を上げていくための具体的な方法として考えていることはありますか?



Webでの集客や販売をベースにしつつ、メディアやアフィリエイト展開、あとは広告などいろいろやってみようとは思っています。
弊社には専門的なスタッフも多いので、例えば「足を使って商店街に売り込みに行きましょう!」とか、それこそ今回のこのインタビューもそうですけど他の企業やサービスと連携したり協力関係を築いたりすることで相乗効果を狙ったり、多方面からやり方を模索していきたいというところです。



「TELENEAR」はまだサービスを開始したばかりですが、今後の契約数として目標とする数値があれば教えていただけますか?



イメージとしては1年目で1,000社という数字を目標に設定しています。
サービスを今後拡大していくことももちろん大事ですし、いろんな方にサービスを知っていただきたいと強く思っています。
しかし、代理店事業も含め、弊社自体のブランディングとして「丁寧なお客様対応」や「誤認を招くことのないようシンプルな設計をする」という部分を大事にしているので、手広く展開し過ぎてユーザー様への対応がおざなりになるより、「TELENEAR」を選んでいただいたユーザー様にしっかり寄り添えるような数というところで、1000社という数を念頭に置いてます。
「シンプルかつユーザーファースト」を企業理念にサービスを継続していきたい



「TELENEAR」のサービス展開や今後についてお伺いしましたが、NNコミュニケーションズとしての今後の展望が何かあれば教えてください。



会社としてもまず最も大事にしている部分は、「シンプルかつユーザーファーストでサービスを提供する」という点です。
弊社にとって「ユーザーファースト」というのは「分かりやすく、シンプルで、条件を設けない」ということで、創業以来ずっと徹底してきましたし、事業全体や会社としての特徴として今後も掲げていきたいと思っています。
いろんな選択肢がユーザー様にある中で、「シンプルで面倒な手続きがないのが良い」という方に選んでいただけるような事業として、元の代理店事業も「TELENEAR」も継続して運営していくことが今後の展望です。
NNコミュニケーションズは「TELENEAR」を通じて、法人・個人に限らないクラウドPBXの可能性や認知度を広めていくことを目指している。
「シンプルかつユーザーファースト」という企業理念により、初めてクラウドPBXを導入する人にも使いやすいサービスになることだろう。
私たちの日常にクラウドPBXが身近に活用される未来は、そう遠くないのかもしれない。










