既存のビジネスフォンを変えるクラウドPBXとは?稼働実績10年の「INNOVERA(イノベラ)」プロディライトの営業&企画コンビに聞く

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近年、「クラウドPBX」というインターネットやIP電話のシステムを利用した電話サービスが注目されつつある。

既存の固定電話からクラウドPBXへの切り替えを進める企業が増える中、10年にわたりサービスを提供し続けているのが、株式会社プロディライトの「INNOVERA(イノベラ)だ。

クラウドPBXという言葉が世の中に浸透していなかった2010年代から、なぜ同社がこの分野に注目し、長期に渡ってサービスを提供できたのか、市場はどのように変化しているのか。

「INNOVERA」営業の谷本和也氏と事業企画の赤坂幸太氏に、クラウドPBXの現在やサービス導入のメリット、今後の展望について詳しく話を伺った。

インタビュー企業紹介

谷本 和也 氏
Tanimoto Kazuya

株式会社プロディライト INNOVERA西日本事業部 西日本営業グループ 副部長。大阪府出身。

元サッカー選手という異例の経歴を持ち、入社後は同社のメインサービスであるINNOVERA事業の立ち上げから携わる。現在もINNOVERA販売の第一線で活躍中。販売と並行して大阪本社営業拠点の管理も担っている。趣味はサッカーと子供のサッカー観戦。

赤坂 幸太 氏
Akasaka Kouta

株式会社プロディライト 事業企画管理部 INNOVERA推進チーム マネージャー。三重県出身。

初めは営業として入社し、INNOVERAの販売やパートナー(代理店)ビジネスを担当。2022年より事業企画管理部に異動し、主にサービス企画に従事し、電話効率化サービス「Telful(テルフル)」をはじめ、様々なサービスを発案している。趣味はゴルフと猫の撮影。

目次

クラウドPBXの先駆者「INNOVERA」誕生から現在までの軌跡

引用:INNOVERA

プロディライトが2015年9月に提供を開始した「INNOVERA(イノベラ)」は、クラウドPBX(Private Branch Exchange)というシステムを使った電話サービスだ。

クラウドPBXを利用すれば社内の固定電話番号をそのまま使い、スマホで発着信が可能になる。

自動応答や通話録音、AI技術を使ったオペレーターの感情分析などの機能も搭載されており、電話業務の効率化に役立つとして昨今注目されている。

株式会社プロディライトと「INNOVERA」の歩み
  • 2008年6月:コールセンター向け人材紹介事業として株式会社プロディライトを設立
  • 2010年10月:コールセンター向けクラウドコールシステムを開発
  • 2011年4月:クラウドコールシステム、ビジネス電話システムの販売を開始
  • 2015年3月:クラウドコールシステムのブランドを「INNOVERA」に統一
  • 2015年9月:クラウドPBX「INNOVERA PBX」の販売を開始
  • 2015年10月:アルテリア・ネットワークス株式会社と提携し、クラウド直接収容型回線「IP-Line」の販売を開始
  • 2020年12月:「INNOVERA」初のメジャーアップデート、「INNOVERA PBX 2.0」の販売開始
  • 2022年1月:「INNOVERA」にAI技術を応用したオプションサービス「Speech Posting」の販売を開始/INNOVERA専用スマホアプリ「INNOVERA Call」の販売を開始
  • 2022年2月:通話内容をテキスト化するINNOVERA AI オプションサービス「INNOVERA Text」の販売を開始
  • 2022年9月:販売代理店制度「パートナープログラム」開始
  • 2023年2月:音声通話からユーザーの感情を分析できるAIオプションサービス「INNOVERA Emotion」の販売を開始
  • 2023年6月:東京証券取引所 グロース市場に上場
  • 2023年10月:電話の自動応答後にSMSを送信するオプションサービス「INNOVERA SMS」の販売を開始
  • 2024年7月:AIによる音声合成機能を「INNOVERA」に追加
  • 2024年8月:「音声から人の感情を分析できる技術」に関連する特許を取得
  • 2024年11月:株式会社NNコミュニケーションズの全株式を取得しグループ会社化

株式会社プロディライト 沿革より抜粋

編集部

2015年9月に販売開始されてから今年で10年周年を迎える「INNOVERA」は、クラウドBPX業界の中でも老舗のサービスではないかと思います。

ちなみに、このクラウドPBXというシステム自体が始まったというのはいつ頃になるのでしょうか?

谷本氏

クラウドPBXそのものが始まった時期というのは正確には分かりませんが、もともとコールセンターのシステムとして技術が入ってきたのが大体2006年頃でしょうか。

弊社がそこからビジネスフォン向けに開発を始めて、本格的にサービスを提供したのが2015年です。

つまり、技術そのものが2000年台に誕生して、本格的に広まったのは2010年初期頃だと思います。

編集部

では、クラウドPBXの初期段階から御社はサービスに参入されているのですね。

谷本氏

もともとはコールセンター向けに特化してサービスを展開していたのですが、その技術を使って「クラウドPBX」という、分かりやすく言うと「ビジネスフォンのクラウド化」として、どの会社でも導入しやすいように広めていったという流れです。

編集部

会社設立時からクラウドPBXのサービスに携わっていたのではなく、コールセンター向けのサービスを提供されていたというところから始まっているということですか?

谷本氏

そうですね、もともと弊社はシステム会社ではなく、人材派遣の会社でした。

その上で自社でコールセンターを設置していて、他社のシステムを使っていたのですが、「これぐらいのシステムだったら作れる」という社員が入社し、開発をして完成したものを、まずは自社で使い始めました。

そのうち、取引のあった企業の方から「このシステムをうちも欲しい」と言っていただくようになり、システム事業に特化していくきっかけとなっています。

編集部

そのきっかけはなかなかすごいですね!

他社のシステムを使っていたけど、さらに使いやすいものを求めて自社で作ってしまったということですよね。

谷本氏

そうですね、それがサービス化していったという流れになっていますね。

編集部

システムの開発を始められてから「自社で使われるようになった時期」と、「他社に向けて販売を始めた時期」というのはどれくらい空いたのですか?

谷本氏

時期的な差異はそれほどなかったと思います。

何年も空いて販売できるようになったというより、開発してすぐに他社様への提供も始めました。

編集部

サービス開始当時で、競合他社となるようなサービスというのはどれくらいあったのでしょうか?

谷本氏

クラウドを使ったPBXサービスという意味では当時ほとんどなく、先駆けてコールセンターや企業様のシステムとして提供を始めています。

編集部

ありがとうございます。

ちなみに、「INNOVERA」というサービス名の由来は何ですか?

谷本氏

イノベーション(=革新)とエラ(=時代)。

時代を革新するという意味合いを込めた造語です。

当時は「クラウド」という言葉も浸透していなかった

編集部

もともと人材派遣をメインに事業展開をされていて、クラウドPBXサービスを提供する会社がほとんどいなかった2010年頃に、ジャンルも異なる新事業に方向転換されたのは大きな決断だったと思います。

当時のことについて、さらに詳しく聞かせてください。

赤坂氏

すでに行っていた人材派遣事業はコールセンターに人を派遣するというものが主でした。

自社のクラウドPBXのシステムを作ってコールセンターで使っていたところ、他社様にも売ってほしいと言われ、思いのほか好評を得たといういきさつがあります。

結果的に、コールセンターに人材を派遣するより、クラウドPBXサービスを販売してコールセンターを効率化させるほうが、弊社にとっては利益が高く、導入される他社様も便利に使えるというのが大きなきっかけです。

そのために、クラウドPBXサービスに開発費をかけるという判断は、弊社社長・小南秀光の先見の明があったと言えます。

編集部

業界内でも先駆けてサービスを提供されたわけですが、実際には「クラウドPBXってどういうサービスなの?」という会社も多かったのではないかと思います。

その辺りの感触は、当時どうだったのでしょうか?

谷本氏

そうですね、今でこそ電話に限らず「クラウド」というサービスが世の中に受け入れられていますが、当時はその言葉すらまだ浸透していませんでした。

弊社でも新事業で体制も整っておらず、自分たちでテレアポなどで営業をして、企業様に訪問して導入して、実績を積み上げていくという時期で、その頃は何がゴールかも分からず必死でやっていました。

編集部

サービス自体は革新的ですが、実際には地道に販路や知名度を広げていかれたのですね。

とにかく使っていただくことで、どんなサービスなのか、その便利さなどを伝えられるというイメージでしょうか?

谷本氏

そうですね、使っていただけた企業様が満足されて、他の会社を紹介してくださったり、横のつながりや口コミで導入先が広がったりしていきました。

編集部

ちなみに、サービスを開始された直後の1~3年目ですと契約された会社様はどれくらいありましたか?

谷本氏

当時は直接営業マンが自分でお客さんを見つけて売っていくというスタイルだったので、そこまで広げられていなかったと思います。

今は直販からパートナー事業へ展開し、体制も整えてアプローチできる数が断然増えています。

コロナ禍によるリモートワークでクラウドPBXの便利さが注目された

編集部

「INNOVERA」の販売体制が整ってサービスの提供の基盤もできた時期でいうと、今から何年ほど前ですか?

谷本氏

2018年~2019年頃にパートナービジネスに展開していったので、売上的にも飛躍的に伸びたかなと思います。

編集部

ちょうどその頃はコロナ禍に差し掛かってくる時期だったのではないかと思います。

コロナ禍で対面でお客様と接することも難しい時期で、コールセンターをご利用される方も多かったと思いますが、「INNOVERA」のニーズも増えたのではないですか?

谷本氏

そうですね、「INNOVERA」を利用すればスマホで会社の電話番号を使った発着信ができたり、内線通話ができたりするので、自宅から会社の業務もしやすくなります。

コロナ禍で業務のテレワーク化が一気に進むのと同時に、導入される企業様も増えました。

今までアプローチしたお客様から、一斉に問い合わせが入った時期でしたね。

実はこの需要は当社のマーケティング戦略として、狙っていたものでした。

コールセンターシステムの需要とは別に、ビジネスフォン、いわゆる事務電話としての需要を見据えて、コロナ禍よりも以前から活動していました。

人材派遣業からシステム販売への切り替えが第一のターニングポイントだとすると、このマーケティング戦略がINNOVERA飛躍の第二のターニングポイントとなっており、販売拡大だけにとどまらず、後のグロース市場上場の要因になりました。

固定電話のビジネスフォンをクラウドPBXに

編集部

「INNOVERA」のターゲット層はどういったところにありますか?

谷本氏

固定電話でビジネスフォンを5~10台ほど使っている企業様に、クラウドPBXへの切り替えを提案することが多いです。

編集部

今後はどのようなお客様に使って頂きたいですか?

赤坂氏

「INNOVERA」のターゲット層が「事務所に電話がある」という会社様になるので、台数や規模も問わず多くの方に使っていただきたいです。

ただ、最近で言うと「カスタマーハラスメント」であったり、営業電話や迷惑電話。詐欺の電話が会社にもかかってきたりする時代になっているので、会社の電話に関することでお困りの方や働き方を変えたいけど従来型のビジネスフォンでなかなか動きが取れないという方に向けて、「INNOVERA」が解決できる部分はあると思います。

ただ、「INNOVERA」を販売する上で「便利ツール」のような売り方をしないというのもこだわっています。

あくまでインフラ、次世代のビジネスフォンであるクラウドPBXとしてお客様のそれぞれの使い方やお困りの内容を考えて、コンサルティングしながら導入していくので、時間をかけながら満足していただけるように契約を進めています。

自社クラウドPBXサービスの強みー顧客の声を基に進化を続ける

編集部

「INNOVERA」の強みについても、教えてください。

谷本氏

とにかく自社のサービスなので、お客様の声を通してサービスや機能面を進化させていけるのが強みです。

利用される方が増えれば増えるほどさまざまな要望が出てくるので、サービスに反映して突き詰めていくことで、さらに良いサービスになっていくと思います。

編集部

お客様が使いやすいようにブラッシュアップを続けていくというイメージですね。

谷本氏

そうですね、お客様からは「使いやすい」と言っていただけることも多く、他社との差別化になっている部分だと思います。

編集部

具体的には、お客様からどういった面で使いやすいというお声を頂いていますか?

谷本氏

例えば「管理画面」があるのですが、内線番号の設定をしたり、画面の見やすさや構成もかんたんに変更していただけます。

また、「INNOVERA」のアプリでの発着信の使い方も、既存のスマホの標準機能を使った電話のかけ方に似ているので、操作が難しいと感じることなくお使いいただけると思います。

編集部

「INNOVERA」の機能やオプションなどは、契約いただいてるお客様のニーズや問い合わせなどがきっかけで開発や導入につながることもあるのでしょうか?

赤坂氏

そうですね、オプションで言うとお客さまの声がきっかけになることが多いと思います。 もともと標準機能も少なかったのですが、サービスを提供していく中でご要望を聞いてどんどん増えていった形です。

編集部

一つの機能を増やすために、開発などにかかるお時間はだいたいどのくらいですか?

赤坂氏

機能やオプションの内容によって異なりますが、1ヶ月足らずでできるものもあれば、構想から練って半年~1年以上かけて作るという場合もあります。

「INNOVERA」他社の追随を許さない独自サービス、そのこだわりとは

編集部

INNOVERAの特徴として、別途有料のオプションではなく、基本機能として標準装備されているものがたくさんあるというイメージがありますが、いかがですか?

谷本氏

そうですね、代表的なものでは「録音機能」は他社サービスではオプションになったり、容量も上限があったりするのですが、「INNOVERA」の場合は容量は無制限ですべての会話を自動的に録画し、過去半年間は保存できます。

業務効率化のためにAIを使ったサービスとの連携開発にも力を入れており、今後はAIを使った多言語対応の機能として翻訳した音声で対応する「通訳機能」なども新たに提供できるようにしていきたいと思います。

編集部

AIを使った機能で言えば、「INNOVERA」のオプションとして音声通話の内容を自動でテキスト化する「Speech Posting(スピーチ ポスティング)」音声感情分析オプション「INNOVERA Emotion(イノベラ エモーション)」などを提供されています。

これらの機能はどのような場面で活用することを想定していますか?

谷本氏

お客様の問い合わせを文字起こしできる「Speech Posting」はコールセンターで使っていただくことが多いですね。

「INNOVERA Emotion」もお客様の声というより、コールセンターで働く自社スタッフの感情が分析できる仕組みとなっています。

オペレーター業務などに携わるスタッフの対応時の感情を分析して、離職率の低下につなげるという目的で使っていただいています。

編集部

「INNOVERA Emotion」は機能の中でも珍しいかと思いますが、導入された会社様の反応などはいかがですか?

谷本氏

「INNOVERA Emotion」のおかげでスタッフに声かけができたという反響をいただいたり、この技術をきっかけで関西万博にもブースを出展させていただく機会を得たりと、弊社の中でも自信を持って提供している機能です。

編集部

先ほどAIと連携した開発を今後も行っていく予定だとおっしゃっていましたが、例えば現状搭載されている「録音機能」から発展して「議事録生成」のような機能も可能になったりするのでしょうか?

赤坂氏

はい、構想としては持っています。

自社開発でという方向性と、同時に他社のサービスとの連携の可能性も豊富になってきたので、組み合わせて活用していくというのも一つの方法だと思っています。

議事録の生成ツールだけでなく、通話録音の内容をさらにしっかりと管理できるようなサービスとの連携、また顧客関係管理(CRM)システムなどの連携も強化するなど、AIサービスを拡充していきたいです。

申し込みから設置までワンストップで行う

編集部

ほかに他社サービスと比べて独自性があるポイントがあれば、教えていただけますか?

谷本氏

はい、弊社では「ワンストップソリューション」と呼んでいますが、「INNOVERA」のシステムがあって、さらに自社で電話番号も発番できたり、「Yealink(ヤーリンク)」という電話機などの販売も行っており、「システム・回線・電話機」の提案が自社ですべてできます。

他社ではシステムを販売するだけという場合もあり、何かトラブルが起きても複数の窓口に問い合わせをしなければいけないこともあります。

弊社であれば総合的に見られるので、問題の切り分けがしやすいというのが独自性の高い点だと思います。

編集部

いわゆる「たらい回し」みたいなことがないということですね。

谷本氏

はい、弊社で完結してスピーディーに対応できると思います。

編集部

もし、機械の設置などの工事が必要となった場合でも、御社ですべて行えるということですか?

谷本氏

パートナー企業もいるので連携して行いますが、要望があれば弊社でも対応は可能です。

編集部

例えば法人の新設や独立などで新たな電話番号が必要になった場合も、発番の手続きからしていただけるのですね。

谷本氏

そうですね。

新しい電話番号を発番する場合であれば、早くて3営業日程度でできると思います。

信頼性を築くためにサポート対応にも力を入れる

編集部

例えば同じ業界の他社様に、これは負けない!ということはありますか?

谷本氏

もともとビジネスフォンを販売している大手企業と比べると、お客様から見た信頼度は低かったので、例えばお客様から問い合わせを頂いたら「すぐに調べて回答する」という点は徹底してやってきました。

他社のクラウドPBXサービスではサポート窓口を設けてはいるけど、実際にかけてみると繋がらなくて、トラブルがあってもほったらかしという話もよく聞きます。

弊社では万が一不具合やトラブルが起きたとしても、お客様からの電話は全部取って対応して、「いつまでにこう回答します!」というのをスタッフ総出で行っています。

泥臭いですが、その積み重ねは他社には負けない部分だと思います。

編集部

お客様からすれば、困った時にどれだけ助けていただけるかというところが、結局信頼に繋がりますね。

赤坂氏

そうですね。

どうしてもクラウドPBXというサービスはインターネットありきなので、仕組み上多少の不具合は起こりえます。

できるだけトラブルをゼロに近づける努力はしていますが、もし何か起こった時にいかに対応するかという部分で、企業としての「信頼感」が培われると思います。

弊社では営業やカスタマーサポートが皆、必死で対応しているところが強みです。

「INNOVERA」の稼働実績10周年を記念した公式キャラクター「イノベッティ」

引用:INNOVERA

プロディライトでは「INNOVERA」の稼働実績10周年を記念して、公式キャラクター「イノベッティ」を誕生させた。

イノベッティの使命は、「クラウドPBXという難しそうなサービスを分かりやすく伝えること」

受話器の形をした角やクラウドをイメージさせる雲のような羊毛、尻尾はプロディライトのIP電話回線「IP-Line」を意味している。

編集部

とてもかわいいキャラクターのイノベッティですが、名前の由来などはありますか?

谷本氏

イノベッティの名前やカラーなどは社内公募で決めました。

社内からは予想以上にさまざまなアイデアが寄せられ、多くの方に愛されるキャラクターになるべくデザインしていきました。

もこもこしたかわいい見た目で気持ちが癒されるような穏やかな印象にしたのは、アフターサービスに力を入れ、お客様に安心感をお届けする「INNOVERA」の特徴に通じています。

編集部

キャラクターから親しみやすさを感じます。知名度向上にも一役買いそうですね。

谷本氏

将来的には着ぐるみなども作って、展示会やイベントに連れていきたいですね。

クラウドPBXのさらなる可能性と今後の展望

編集部

今後、「INNOVERA」やクラウドPBXというサービスを広めていくための展望を教えていただきたいです。

谷本氏

クラウドPBXという分野で言うと、全体的にまだ認知度やシェアもこれからという部分があるので、今後もどんどん広げていきたいというのが一番です。

また、弊社での造語ですが「バリアフリーコミュニケーション」という言葉を掲げていまして、例えば目の見えない方と健常者の方が自由にコミュニケーションを取れるツールであったり、海外の方とスムーズに通話ができたり、クラウドPBXの技術を通じてできることを増やしていきたいというのは常に考えています。

クラウドPBXの認知度向上のためにエリアやつながりやすさを強化していく

編集部

「INNOVERA」やクラウドPBXというサービスの便利さはよく分かりましたが、クラウドPBXという言葉自体を知らない方も世の中にはまだ多いと感じます。

サービスの認知度を向上していく上で、御社が考えていることはありますか?

谷本氏

特に地方に関してはクラウドPBXの認知度やサービスの利用という部分では広がっていません。

弊社でも去年あたりから首都圏以外の地域でもアプローチしていこうと取り組みを進めているところです。

まだクラウドPBXが浸透していないエリアにサービスの認知や利用が広がっていけば、さらに伸びる可能性があると思っています。

編集部

「INNOVERA」では現在、14都道府県の41番号の市外局番に対応していますが、契約される方はやはり首都圏に集中しているのでしょうか?

谷本氏

そうですね、問い合わせなども東京近郊の会社様が多いですね。

編集部

例えば、東京に本社があったとして、東京の市外局番で契約してしまえば、地方の支社でも本社にかかってきた電話を取れるのでしょうか?

谷本氏

はい、東京本社で導入すると地方にある支店も一緒に導入する形が多いので、利用できる方も増えるのがメリットです。

東京の本社にかかってきた電話も、例えば沖縄県や四国など現在「INNOVERA」の市外局番エリア外の場所へ出張に行った社員さんが取れるというイメージです。

編集部

今後、市外局番で対応するエリアは増えていくこともあるのでしょうか?

谷本氏

そうですね、まだ可能性の話になりますが、回線が今後他社のサービスなどと連携していくことで、エリアも広がっていくかもしれません。

プロディライトがクラウドPBXで目指す未来と課題

編集部

人材派遣業から始まって、現在クラウドPBXサービスの第一線を突き進んでいらっしゃるプロディライト社として、目指す世界や展望があれば、ぜひお伺いしたいです。

谷本氏

固定電話の次世代がクラウドPBXという位置づけですが、 それに対する「定番」が現時点でないと言えます。

その「定番」というか、「クラウドPBX業界のスタンダードをプロディライトが作りたい」というのがずっとありまして、そのためにはAIなどと連携して「より便利な電話を作りたい」と思っています。

クラウドPBXももちろんですが、コミュニケーションを円滑にするための技術も弊社の強みになると思っているので、そういった目線のサービスは今後も作っていきたいです。

何か明確なものがあるわけではないのですが、まずは「INNOVERA」と何かを連携したり、「INNOVERA」で何かコミュニケーションのその先の便利な使い方をしたりという部分で広げていきたいと思っています。

また、「INNOVERA」でいうと電話の常識というか、「つながって当たり前」というイメージを持っていらっしゃる企業様も多いので、通話の安定性も追求してより安心して使えるサービスにしていくのは、今後も継続して取り組んでいく課題です。

編集部

クラウドPBXはインターネットを使ったサービスでもあるので、どこにいても、どんな建物に入っても、地下にいても繋がるようにしていきたいということですね。

具体的に安定性という課題に対し、どのような形で実現に向かっていこうとお考えですか?

谷本氏

弊社はカスタマーサポートや営業スタッフも含め、常時お客様や販売を担うパートナー企業様からの声をよく聞くという体制を取っているので、悪いところは随時直していく方向に徹しています。

あとは技術面でも運用チームと開発チームで連携しながらサービスを守るという認識で協力しています。

販路拡大のため2024年11月にNNコミュニケーションズを子会社化

プロディライトでは2024年11月に、光回線などの代理店業務をメインに行うNNコミュニケーションズの株式を取得し、子会社化した。

NNコミュニケーションズの子会社化も、自社のクラウドPBXサービスの販路拡大が目的だという。

編集部

NNコミュニケーションズ様を子会社化されたいきさつもお聞かせください。

谷本氏

今まで「INNOVERA」では、小規模の事業所様や個人事業主様へのアプローチが価格帯の面で難しいという課題がありました。

手軽にクラウドPBXを使いたいと考えておられる、そういった方達をターゲットとした新サービスの構想はあったのですが、コストを下げるためには集客から契約までWebで完結することが必要でした。

NNコミュニケーションズはWebを活用した拡販ノウハウをお持ちでしたので、「INNOVERA」では取り切れないターゲット層に向けたクラウドPBXサービスを提供するために子会社化したという流れです。

NNコミュニケーションズでは「INNOVERA」のMVNOとして、小規模企業や個人事業主に向けたクラウドPBX「TELENEAR」を2025年7月にリリースした。

「TELENEAR」については、NNコミュニケーションズにもインタビューを行ったので、ビジネスフォンに革新を呼ぶクラウドPBXのサービス拡大に取り組む2社の想いを併せて読んでもらいたい。

記事の作成・公開時期により情報が最新ではない可能性があります。最新情報をお届けできるよう努力しておりますが、サービスの最新情報は必ず公式サイトを確認するようにお願い申し上げます。

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