固定回線を引く手間を省きながら、外出先でも自宅と同じ通信環境を使いたい――。そんな現代のニーズに応えるべく誕生したのが、ネットワークコンサルティングの最新ルーター「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」だ。
Wi-Fi 7対応による超高速通信に加え、SIMカード・クラウドSIM・eSIMの三方式を統合。さらに、国内モバイルルーターとしては初となる位置情報取得機能(みちびき対応)を搭載し、通信の“速さ・強さ・柔軟さ”を一台に凝縮した。
開発期間は約2年。サイズと機能のバランスを追求しながら、「家でも外でも、これ一台で完結する」新しい通信の形を目指した。今回、開発を担ったネットワークコンサルティングの担当者に、企画の背景から技術的挑戦、そして未来への展望までを聞いた。

大貫 裕太 氏
Onuki Yuta
株式会社ネットワークコンサルティング OEM事業部所属。通信の卸提供を行うための自社運用システムのディレクションを担当。「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」では、仕様策定からデザイン監修、販促コンテンツ制作まで幅広く携わっている。
時代が求めた「これ一台で完結」という発想

家庭用ルーターとモバイルルーターの境界があいまいになりつつある今、ユーザーが求めているのは「どこでも同じように使える」通信環境だ。
在宅勤務の普及や外出先での仕事、動画配信など、インターネットの使われ方は急速に多様化している。
そうした変化の中で、ネットワークコンサルティングが掲げたキーワードが「これ一台で完結」。通信の形を“固定”から“自由”へと変える、その発想が「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」誕生の原点にあった。
物価高と多様化するライフスタイルが生んだ新しい通信ニーズ
物価高や光回線の契約費用上昇など、通信コストを見直す動きが加速するいま。家庭でも外出先でも使える“一台完結型のWi-Fiルーター”を求める声は確実に増えている。
オールコネクトマガジン編集部今回は、新製品「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」について伺います。まず、なぜこのタイミングで新しいルーターを企画されたのでしょうか。



世の中の需要にマッチした製品を作りたいというのが出発点です。物価高騰などで節約意識が高まっている中、この製品一台で家庭でも出先でも使える柔軟なWi-Fiルーターを作ろうと考えました。そのうえで、Wi-Fi 7という最新規格を採用し、高速かつ安定した通信を実現しています。



確かに、今の時代は“安さ”だけでなく、“無駄のない選択”が求められていますね。



そうですね。さらに、クラウドSIMにも対応しています。災害や障害が起きても、挿しているSIMカードに問題があればクラウド側へ切り替えることで、その時点で最適な通信に自動でつながるようにしています。国内キャリアもすべてカバーしています。



まさに、“どこでも使える安心”という発想ですね。



はい。利便性だけでなく、万が一の時にも通信が途切れないことを重視しました。
家でも外でも“同じように使える”という価値
HYBRID Wi-Fi 5G NC03は、家庭とモバイルの境界をなくす設計思想で作られている。その背景には、リモートワークや外出機会の増加など、「固定ではなく可動する通信」という時代の変化がある。



この製品は“家でも外でも”がテーマですが、実際どのような使われ方を想定されていますか?



卸先様によって多様ですが、たとえばレンタカー事業者様での活用を想定しています。海外から来た方が事故などで自分の居場所が分からない場合でも、電源が入っていれば位置情報をすぐ確認でき、救急要請などに役立てることができます。さらに、このルーターは海外でも使えるので、日本から海外に行く方への貸し出しにも対応できます。



なるほど。観光やビジネス、どちらのシーンにも展開できそうですね。



はい。販売会社様がさまざまなサービスをイメージしやすいように設計しています。家庭でも、出先でも、そして海外でも“変わらず使える”という点は大切にしました。



通信が止まるとSNSなどで話題になりますが、クラウドSIMならその不安も軽減できますね。



おっしゃる通りです。さらに、eSIMにも対応しており、海外ではSIMカード契約よりもeSIM契約が主流です。クラウドSIMに抵抗がある方でも、eSIMを契約すれば現地でも快適に使える設計にしています。



ユーザーにとっては、まさに“どこでもつながる”という安心感がありますね。



そう感じていただければ嬉しいです。家でも外でも、これ一台で完結できる。それが今回のNC03の価値です。
開発に込めた想い──「家庭でも、出先でも」快適に使える柔軟なルーターを


「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」が生まれた背景には、ユーザーの“使いづらさ”を徹底的に解消したいという開発チームの強い意志があった。
家庭でも外出先でも、同じように快適な通信を実現するためには、ただ機能を増やすだけでは不十分。
誰でも迷わず使えること、そして生活に自然に溶け込むこと――。
その理想を形にするため、ネットワークコンサルティングの開発チームは、設計思想から見直しを図りながら2年にわたる挑戦を続けた。
三つのSIM方式を統合したオールインワン設計の原点
HYBRID Wi-Fi 5G NC03の開発は、「一台でどこでも使えるWi-Fiを」というシンプルな発想から始まった。しかし、その裏には通信技術と筐体設計の両立という高いハードルがあったという。



開発の中で、最も苦労された点はどこでしたか?



一番の課題は、SIMカード・クラウドSIM・eSIMの三つを一台に入れることでした。当初、検討中の要件をすべて詰め込むと本体がかなり大きくなってしまい、モバイルルーターとして現実的なサイズではなかったんです。そこから、取捨選択と設計の工夫を重ね、ようやく今の形に落とし込みました。



確かに、モバイルルーターで三方式対応というのは聞いたことがありません。まさに“挑戦”ですね。



はい。単に多機能にするのではなく、ユーザーが自然に使えることを最優先にしました。設定や切り替えで迷わないよう、操作画面や構成も徹底的に見直しました。
生活の中で“持ち運べる回線”を実現するための構想
モバイルWiFiの進化は、単なる通信速度の向上だけではない。ネットワークコンサルティングがNC03で目指したのは、“回線を持ち歩く”という新しい価値体験だ。



「家庭でも、出先でも」というコンセプトには、生活スタイルの変化も影響しているのでしょうか。



そうですね。コロナ禍以降、リモートワークが広がり、自宅だけでなく外でも安定した通信を求める人が増えました。一方で、光回線を契約しても「月のほとんどを外で過ごす」という人も多く、もはや固定回線だけでは生活スタイルに合わない。そんな現実を踏まえ、“回線を自分で持ち運ぶ”という発想に至りました。



確かに、通信を「設置する」ではなく「連れていく」という考え方ですね。



まさにそうです。家庭では据え置き型のホームルーターとして、外出時は持ち出してモバイルルーターに。環境を選ばずに使えることで、ユーザーの生活をより自由にできる。それがNC03の設計思想です。



通信を「固定から可動へ」――時代の流れを象徴する製品ですね。



はい。“オールインワン”とは、単に機能を詰め込むことではなく、使う人の生活に自然に溶け込むこと。そこを一番大切にしました。
技術への挑戦──クラウドSIM・eSIM・Wi-Fi 7が拓く次世代通信


多機能化が進む中で、ネットワークコンサルティングが目指したのは「機能の足し算」ではなく、通信体験の質そのものを高めることだった。
Wi-Fi 7による超高速通信、5G対応による広帯域化、そしてクラウドSIM・eSIMの柔軟な接続設計。
これらをすべて搭載しながら、ユーザーが意識せず“常に最適な通信”を享受できるようにする――それがHYBRID Wi-Fi 5G NC03の最大の技術的挑戦だった。
安定性と速度を両立する通信設計
Wi-Fiルーターに求められるのは「速さ」だけではなく、「安定してつながり続けること」。
HYBRID Wi-Fi 5G NC03では、最新のWi-Fi 7規格を採用することで、従来機種を大きく上回る通信品質を実現している。
さらに、電波干渉を避けるための周波数帯選択や、複数端末接続時の最適化制御など、ユーザーが意識せずとも快適に使える設計思想が貫かれている。



Wi-Fi 7対応は注目ポイントです。実際の使用感としては、従来とどの程度違うのでしょうか?



体感差は環境によりますが、通信テストでは従来端末より明らかに高速でした。家庭でもオフィスでも、動画視聴やリモート会議で“止まらない通信”を感じていただけると思います。



この端末は2.4GHz、5GHz、6GHzの全帯域に対応しています。混雑しがちな2.4GHzを避け、干渉の少ない5GHzや6GHzを使えば、より快適な通信が可能です。Wi-Fi 7対応端末をお持ちの方なら、その違いをすぐに実感できるはずです。



6GHz対応は先進的ですね。



そうですね。現状、対応機器はまだ少ないですが、今後主流になることを見据えて実装しました。“長く使えるルーター”として将来性も備える、それがNC03の強みです。
5G対応がもたらす体感速度と快適性
5Gの登場により、通信はさらに高速・低遅延化の時代へ進んだ。
HYBRID Wi-Fi 5G NC03は、クラウドSIMやeSIMなどの柔軟な接続方式と組み合わせることで、通信品質を自動的に最適化する仕組みを実現している。
ユーザーは特別な設定を行わずとも、常に最適な通信環境を享受できる。



5G対応について、クラウドSIMとの関係はどのようになっているのでしょうか?



端末自体は5G対応ですが、クラウド側で使用しているSIMがまだ4Gの段階です。ただ、クラウドサーバーが5G化されれば、そのまま端末でも利用可能になります。すでに対応準備は進めており、今後の需要を見ながら切り替えていく予定です。



現時点でも通信速度には十分な手応えがありますが、5G普及を見据えて“進化し続ける設計”にしています。通信の形が変わっても、ユーザーが買い替えずに使い続けられることを大切にしています。



なるほど。ユーザーが何も意識せず、常に最適な通信を使えるということですね。



はい。“何もしなくても最適につながる”ことこそ、本当の技術力だと考えています。見た目はシンプルですが、内部では非常に複雑な制御をしています。ユーザーにとってはただ快適に使える——それが最も理想的な形です。
国内初・位置情報機能を搭載。その狙いと広がる活用可能性


通信の安定性や速度だけでなく、「どこで使われているか」を把握できることも、次世代ルーターの大きな価値となりつつある。
ネットワークコンサルティングが開発したHYBRID Wi-Fi 5G NC03は、モバイルルーターとして国内初となる位置情報取得機能を搭載。
GPSだけでなく、日本の衛星測位システム「みちびき」にも対応し、従来のモバイルWiFiでは難しかった衛星測位による位置把握に対応した。
その技術の背景と、新たに生まれる活用シーンを探った。
「みちびき」対応による衛星測位での位置把握
従来のモバイルWiFiは、基地局情報をもとにしたおおまかな位置しか取得できず、十分な測位が難しい場面が多かった。
HYBRID Wi-Fi 5G NC03では、GPSと「みちびき」を組み合わせることで、衛星ベースの位置情報取得に対応した。
この仕組みにより、モバイルルーターの利用価値は単なる通信機器から“位置情報を活用するプラットフォーム”へと拡大する。



GPS機能を搭載した意図を教えてください。



これまでのモバイルWiFiは位置情報が正確ではなく、基地局をもとにした概算しか分かりませんでした。NC03では、GPSに加えて日本の衛星「みちびき」などのGNSSを活用し、基地局に依存しない衛星測位に対応しています。この機能を入れたのは、コロナ収束後に高まるインバウンド需要も背景にあります。



海外からの旅行者にも利用価値が高そうですね。



はい。レンタルWiFiとして貸し出した際、行動データを取得して観光導線の分析や安全管理にも役立てられる可能性があります。これは、モバイルルーターとしては初の取り組みだと思います。
レンタカー・防災・観光支援など、新しい活用シーン
位置情報機能は、単に“どこにあるか”を示すだけでなく、社会のさまざまな現場で活用される可能性を秘めている。
とくに、レンタカー事業、防災支援、観光サービスなど、通信と位置情報を掛け合わせた新しい価値提供が期待されている。



実際に、どのような業界での利用が想定されていますか?



現在、レンタカー事業者様での導入を想定しています。事故などのトラブル時に、海外からの利用者が自分の居場所を説明できないケースがあります。その際、電源が入っていれば、端末の位置をすぐに確認して救急要請やサポート対応につなげられる仕組みです。



通信だけでなく、命を守るツールにもなり得るんですね。



はい。さらに、地域住民への貸し出しや観光動向の把握など、行政や防災用途にも応用できます。例えば、イベント開催時に行動データを一時的に取得・分析することで、街づくりや観光施策に役立てるといった使い方も考えられます。



“通信機器”という枠を超えた、新しいプラットフォームの形ですね。



まさにそうです。通信と位置情報の融合が、新しい社会的価値を生むと考えています。
直感的に使えるデザインとUIへのこだわり


「誰が触っても迷わず使えること」。
ネットワークコンサルティングがHYBRID Wi-Fi 5G NC03のデザインで最も重視したのは、性能よりもその“使いやすさ”だった。
多機能化するWi-Fiルーターの中で、操作や設定の複雑さを極力排除し、“手に取った瞬間に使える”直感的なUIとデザインを追求した。
そのこだわりは、これまでのグッドデザイン賞の受賞にもつながっている。
過去の受賞製品で培われた設計思想を踏襲
見た目の美しさだけでなく、操作のしやすさ、構造の分かりやすさまで含めて「デザイン」と定義する
NC03は、タッチパネルを標準装備した数少ないモバイルルーターとして開発された。
ボタン操作をなくし、スマートフォンに慣れた誰もが説明書なしで接続できる体験を目指した。



御社ホームページでは、過去の端末でグッドデザイン賞の受賞された実績も拝見しました。外観だけでなく、UI面にもこだわりがあるようですね。



はい。今回の端末ではタッチパネルをマストとしました。誰が触っても直感的に操作できるように、画面の誘導設計を意識しています。実際、社内でも「説明書なしでつながる」ことを基準にテストを繰り返しました。



スマートフォンのように扱えるのは大きな魅力ですね。



そうですね。最近はボタン操作型のルーターが少なくなっていますが、まだ“設定が難しい”という印象を持つ人も多い。そこを変えたかったんです。操作の複雑さをUIで解消することを第一に考えました。
クレードル構造で実現したホームルーターとしての完成度
据え置きでも持ち運びでも使えるNC03の特徴を支えているのが、クレードル構造だ。
単なる充電台ではなく、通気性・放熱性・デザイン性を兼ね備え、家庭のインテリアにも自然に溶け込む形を目指した。



クレードルのデザインは最初から構想にあったのでしょうか?



はい。当初からホームルーターとしても売れる形にしようと決めていました。販売現場でも据え置き需要が高まっていることが分かっていたので、外出時に簡単に取り外せる構造を設計しました。



色や形も非常にシンプルですね。



どこに置いても馴染むよう、余計な装飾を削ぎ落としたデザインにしています。最初は丸型や低背型など複数の案がありましたが、放熱や安定性を考慮して今の形に落ち着きました。密着しすぎず、隙間が出すぎない——そのバランスを追求しました。



2色展開の案もありましたが、コスト面との兼ね合いで1色に。ただ、代理店様によってはロゴを入れるなど、ブランドに合わせたカスタマイズ対応も可能です。



なるほど。シンプルでありながら実用的。まさに「オールインワン」の設計思想が反映されていますね。



ありがとうございます。デザインも機能の一部だと考えています。“誰でも使える”を形にした結果が、今の姿です。
広がる導入の可能性──家庭から企業、行政まで


「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」は、一般家庭向けのルーターにとどまらず、法人・自治体など多様な現場での導入が期待されている。
持ち運びやすく、設置工事が不要なため、“即日使えるインターネット環境”をどこでも実現できる点が大きな強みだ。
営業職の外回りや教育現場での利用、不動産物件の付加価値化など、すでに複数の業界から関心が寄せられているという。
営業職・教育現場・不動産など多様なユースケース
固定回線に依存せず、どこでも使えるNC03は、業務スタイルの変化にも柔軟に対応できる。「据え置きでも、持ち出しても同じように使える」という特性は、モバイルワークや短期利用現場に最適だ。



家庭向けだけでなく、法人用途にも広がりそうですね。どんな導入事例を想定されていますか?



営業職など、移動が多い方の通信ツールとしておすすめできます。例えば車載での利用なら、位置情報機能を活かして「この時間にどこにいたか」を確認することも可能です。事務所では据え置き型としても使えるため、会社の備品として導入しやすいと思います。



不動産分野でも活用できそうです。



はい。不動産会社様からも興味を持っていただいています。「インターネット付き物件」に据え置きで設置しておけば、入居したその日からすぐネットが使える環境が整います。また、持ち運びもできるため、入居者が退去時に持ち出すような形にも対応可能です。



教育現場での利用もイメージできますね。



オンライン授業や出張授業など、場所を選ばずネット環境を作り出せる点は教育機関にも有効です。とくに短期講座や臨時拠点などでは、回線工事なしで導入できるメリットがあります。
行政や地域活性にもつながる社会的ポテンシャル
NC03の位置情報機能や可搬性は、行政・自治体での地域施策にも応用可能だ。防災支援から観光促進まで、通信インフラとデータ活用を掛け合わせた“地域DX”の一翼を担う可能性を秘めている。



行政や自治体での活用も視野に入れていると伺いました。



はい。たとえば地域住民への貸し出しや、観光導線の把握などにも活かせます。通信機能だけでなく、位置情報を活用した行動データの取得・分析によって、街づくりや観光施策の検討材料としても活用できると考えています。



通信機器が、社会インフラやデータ基盤として機能する時代になってきましたね。



まさにそうです。私たちは“Wi-Fiを売る”だけではなく、通信を通じて新しい社会価値を生み出すことを目指しています。HYBRID Wi-Fi 5G NC03は、その第一歩だと考えています。
2年をかけた開発の舞台裏──“サイズと機能”のせめぎ合い


「HYBRID Wi-Fi 5G NC03」は、構想から発売までに約2年の歳月を要した。
最新技術を詰め込みながら、持ち運びに適したサイズに抑えるという難題に挑んだ開発チーム。
その舞台裏には、“理想を形にするために何を残し、何を削るか”という果てしない選択の連続があった。
自動切替を捨ててでも追求した最適サイズ
開発当初、チームは「三つのSIM方式を自動で切り替える」構想を掲げていた。
しかし実現のためにはチップセットを増やす必要があり、本体サイズが大きくなってしまう。
モバイルルーターとしての携帯性を保つには、あえて自動切替を捨て、手のひらサイズを維持する判断が必要だった。



開発期間が長かった分、さまざまな構想があったと思います。特に印象的な決断は?



一番の悩みはサイズと機能の両立でした。三方式SIMを入れるには相応のスペースが必要で、自動切替まで入れると本体が大きくなり過ぎる。最終的には、「ユーザーが気軽に持ち歩けること」を最優先にして、機能を絞り込みました。



まさに“削る勇気”ですね。



そうです。ユーザーが設定で迷わないよう、シンプルで自然な操作感を意識しました。すべて自動化するよりも、使い勝手を損なわない範囲で最適化することが大切だと考えました。
三方式SIM搭載のための技術的工夫と執念
SIMカード・クラウドSIM・eSIMという三方式を一台に収める――。
この構成は、ルーター開発の常識から見ても極めて難易度が高い。
チームは試作を重ね、熱処理や干渉問題を克服しながら、小型ボディの中に“3枚の回線”を共存させる設計を完成させた。



やはり、三方式を同時に搭載するのは前例がほとんどないですよね。



はい。技術的にも相当難しかったです。クラウドSIMとeSIMを共存させるためには、通信制御を一から見直す必要がありました。試作段階では熱がこもったり、動作が安定しないこともあり、調整に多くの時間を費やしました。



それでも挑戦を続けた理由は?



“どんな環境でもつながる”という理想を実現するためです。多少のリスクや手間があっても、「これ一台で完結する」コンセプトだけは譲れなかった。そのために内部構造を何度も見直し、最終的に理想的なバランスに仕上げました。



本体の中には、見えない部分に細かな工夫と熱意の跡が詰まっています。それが、2年という長い開発期間につながった最大の理由です。



まさに“機能美”ですね。技術の粋を詰め込んだ一台だと感じます。



ありがとうございます。苦労は多かったですが、その分、ユーザーが手にしたときに“ちょうどいい”と感じてもらえるルーターに仕上がりました。
通信の未来へ。「オールインワン」が描く次のスタンダード


“どこでも、誰でも、同じようにつながる”。
それは、これまで当たり前のようでいて、決して簡単には実現できなかった理想だ。HYBRID Wi-Fi 5G NC03の登場は、通信の在り方を「固定」から「可動」へと変える大きな一歩となった。
ネットワークコンサルティングが見据えるのは、単なるルーターの進化ではなく、「通信を自由に使いこなす社会」そのものの実現だ。
「家でも外でも、これ一台で」──すべての人に自由な通信を
“家でも外でも同じように使える”というコンセプトは、NC03を象徴するキーワードだ。それは便利さの追求ではなく、通信インフラを誰にとっても身近な存在にするための思想から生まれている。



この製品が完成したとき、まず思い浮かんだ言葉は何でしたか?



やはり「これ一台で完結」です。どこに行っても同じように使えて、困らない。そんな製品を作りたかったんです。家庭でも、旅行先でも、オフィスでも。使う場所を意識せずに通信できる環境を目指しました。



まさに“通信の自由”というテーマが体現されていますね。



はい。クラウドSIMやeSIMなど、新しい技術を搭載することで、ユーザーが設定や制限を意識しない世界を実現したいと考えました。
技術は裏方でいい。ユーザーはただ「つながる安心」を感じてくれれば十分です。
ネットワークコンサルティングが見据える通信の進化像
HYBRID Wi-Fi 5G NC03は完成形ではない。むしろ、これを起点に、通信をよりシンプルに、よりパーソナルに進化させるための第一歩だと開発チームは語る。



NC03の次に、どんな未来を描いていますか?



今後は「通信が生活の中で自然に動く」時代になると思います。
例えば家電や車など、あらゆるものがインターネットとつながるようになる。その時に必要なのは、ユーザーが意識せず通信できる“裏方の仕組み”です。NC03は、その入り口にあたる製品だと捉えています。



なるほど。通信そのものが、生活の一部になるということですね。



そうです。Wi-Fiを「使うもの」から「共に動くもの」に変えていく。それが、私たちネットワークコンサルティングの次の挑戦です。



最後に、ユーザーへ伝えたいメッセージはありますか?



「どこにいても、何をしていても、安心してつながる」。その当たり前を支えるのが、私たちの仕事です。HYBRID Wi-Fi 5G NC03を通じて、通信の自由をすべての人に届けたいと思っています。



“持ち運べる通信”から始まる、新しいスタンダードの形ですね。



はい。これからも“オールインワン”の可能性を進化させていきます。
インタビュー企業概要


| 社名 | 株式会社ネットワークコンサルティング |
|---|---|
| 所在地 | 東京都豊島区西池袋1-4-10 光ウエストゲートビル6F |
| 代表者 | 渡邊 裕樹 |
| 設立 | 2011年1月31日 |
| 資本金 | 1億1千万円 |
| 事業内容 | MVNE事業/コンテンツ事業/プロダクト事業/WEBコンサルティング事業/課金決済事業/SEO・SEM事業/WEBプロモーション事業/ 上記に関わるその他関連事業 |
| 関連会社 | 株式会社セレクトネットワーク |
| 古物商番号 | 東京都公安委員会許可 第305502315489号 |
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