大手キャリアよりも料金が安く、データ無制限プランでも注目を集めている楽天モバイル。
これを機に、他社からの乗り換え(MNP)を検討している方も多いのではないでしょうか?
一方で、現在楽天モバイルを利用中の方の中には、ドコモ・au・ソフトバンク回線や他の格安SIMに魅力を感じて、他社から乗り換え(MNP)たい方もいるでしょう。
そんな方へ向け、この記事ではMNPが初めての方でもわかりやすく、以下のことをシンプルに解説しています。
・他社から楽天モバイルへMNPで乗り換える方法
・楽天モバイルから他社へMNPで転出する手順
MNPにあたっての注意点についても丁寧に紹介していますので、この記事を参考にして、乗り換え手続きをスムーズに進めてみてください。
他社から楽天モバイルに最短でMNP乗り換えする手順

「MNP(Mobile Number Portability)」とは、「携帯電話番号ポータビリティ」のことです。
現在使っている電話番号をそのまま他社の回線でも利用できる手続きができます。
MNPを行わずに新しく契約すると、新しい電話番号が割り当てられるため、これまで使っていた番号を引き継ぐことはできません。その不便を解消するのがMNPです。
電話番号が変わらなければ、各種サービスの登録情報を変更する手間も省けます。他社から楽天モバイルにMNPで乗り換える基本的な流れは、以下の5ステップです。
- SIMロック解除をする(約10分)
- 今のスマホキャリアでMNP予約番号を取得する(約10分)
- 楽天モバイルを申し込む(約10分、オンラインの場合、SIMカードの到着まで2〜3営業日)
- 楽天モバイルでMNP手続きをする(約5分)
- APN設定をする(約10分)
すべてWeb上で完結する手続きですから、インターネットに慣れている方はサイトからの手続きをおすすめします。
さっそく詳細をみてみましょう。
手順①:SIMロック解除をする(一部キャリア)
「SIMロック」とは、ドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアで購入したスマートフォンにかけられている、他社の回線を使えないようにする制限機能のことです。
キャリア側は自社の回線を使ってもらうために、この制限を設けています。
たとえば、ドコモで購入したスマホにSIMロックがかかっている場合、auのSIMカードを差しても通信はできません。
そのため、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)で楽天モバイルへ乗り換える際は、現在使っている端末がSIMロックされていないか確認する必要があります。
特に、au・ドコモ・ソフトバンクで契約中のスマホをそのまま楽天モバイルで使いたい場合は、以下2点を事前にチェックしておきましょう。
・SIMロックを解除すること
・楽天モバイルの回線に対応している端末か確認すること
SIMロックの解除は、端末を購入したキャリアの公式サイトまたは店頭で手続きが可能です。
公式サイトでの手続きは無料ですが、店頭での手続きは3,300円(税込)の手数料がかかる点には注意が必要です。
なお、元からSIMフリーの端末(Apple Storeや一部オンラインショップで購入したものなど)の場合は、SIMロック解除の必要はありません。
手順②:今のスマホキャリアでMNP予約番号を取得する
次に、現在の電話番号を楽天モバイルに引き継ぐための「MNP」の準備を行います。
必要になるのは、「MNP予約番号」と呼ばれる10桁の数字です。
これは、現在契約しているキャリアの公式サイト(オンライン)または電話窓口から取得できます。
どちらの方法でも発行可能なので、都合のよい方を選んで手続きを進めましょう。
au | ネットから | My auログイン|au 受付時間:9:00~20:00 |
---|---|---|
電話窓口 | 電話番号:0077-75470 受付時間:9:00~20:00 | |
docomo | ネットから | My docomo | NTTドコモ 受付時間:9:00~21:30 |
電話窓口 | 電話番号:(docomo端末から)151 (一般電話から)0120-800-000 受付時間:9:00~20:00 | |
ソフトバンク | ネットから | My SoftBank | ソフトバンク 受付時間:9:00~21:30 |
電話窓口 | 電話番号:(Softbank端末から)*5533 (一般電話から)0800-100-5533 受付時間:9:00~20:00 |
MNP予約番号の取得・移行手続きに手数料といった費用がかかることはありませんが、MNP予約番号には有効期限があり、取得から15日となっています。
期限をすぎると使えなくなってしまいますのでご注意ください。
手順③:楽天モバイルを申し込む
楽天モバイルへの申し込み方法は、オンラインと楽天モバイルショップ(店舗)の2通りがあります。
店舗での申し込みでは、スタッフから直接説明を受けられたり、各種手続きを任せられるという安心感があります。
ただし、必要書類の不備やMNPの対応時間の関係で、複数回店舗に足を運ぶ必要が出ることもある点には注意が必要です。
一方、オンライン申し込みは、手順に沿って進めれば特別に難しい操作はなく、自宅で完結できるのが大きなメリットです。
時間や手間をかけたくない方には、オンラインからの申し込みをおすすめします。
申込みに必要なもの

まず、申込みのために以下の4つを準備しておきましょう。
- 本人確認書類
- 楽天会員ユーザーID/パスワード
- クレジットカード/銀行口座
- MNP予約番号
本人確認書類には免許証やマイナンバーカードが使えます。健康保険証やパスポートなどは単体では使えず、公共料金の領収書などの補助書類が必要です。
オンラインからの申込みの場合は「ご自宅MNP」を選択
MNPをともなう申し込みを行う際「MNP開通手続き方法」という設定項目があります。
この中にある「ご自宅MNPを利用する」という項目に必ずチェックを入れておきましょう。
これは電話番号を現在のキャリアから楽天モバイルへ切り替える手続きを、自分で行うか、自動で任せるかを選ぶ設定です。
「ご自宅MNP」では開通手続きを自分で行う必要があるため、ひとつ作業が増えますが、その分現在のキャリアの回線が事前に解約されて通信が使えなくなるリスクを防ぐことができます。
一方で、「自動手配」を選ぶと、商品到着前に回線が切り替わってしまい、一時的に通話や通信が使えない期間が発生する可能性があるため注意が必要です。
なお、支払い方法を口座振替に設定し、回線申し込みと同時にスマホ端末やアクセサリーを代金引換で購入する場合は、「ご自宅MNP」は選択できません。
手順④:楽天モバイルでMNP手続きをする
オンラインで申込みをすると、完了から約2〜3営業日でSIMカードが到着します。SIMカードが到着してまず行うことは楽天モバイルに現在の電話番号を移すMNP手続きです。
到着したSIMカードはそのままに、まずは以下の窓口に連絡し電話番号の引継ぎ手続きを行います。
自動音声ガイダンスが流れるためその指示に沿って操作するだけで手続きは完了です。
電話番号:0800-805-1111
受付時間:24時間
また、この手続きをした時間帯によってMNPが完了するタイミングが変わります。夜間に手続きをした場合、完了が翌日の朝になるため注意が必要です。
MNPが完了すると現在のSIMカードでの通信は圏外になります。確認した段階で今のSIMカードと楽天モバイルのSIMカードを入れ替えましょう。
手順⑤:APN設定をする
最後にAPNの設定を行います。
APN設定とは、インターネットに接続するための設定のことで、回線事業者によってそれぞれ違う値になっています。
楽天モバイルにも固有のAPN設定情報があり、端末に設定する必要があります。
手順はお使いの端末がiPhoneかAndroidかで大きくわかれます。
ネットを介して設定することがもっとも簡単であるためWi-Fiにつなげた状態で行いましょう。
iPhoneでのAPN設定
iPhoneに関しては、iPhone 6s以降に発売されたシリーズであれば利用することが可能です。
こちらも基本的にSIMの差し替えのみで完了します。eSIMの場合は少し方法が異なりますので、しっかり手順を確認しておきましょう。
1. OSをアップデート
2. MNP転入/プラン変更(移行)手続き
3. APN構成プロファイルを削除
4. nanoSIMを挿しかえる
5. キャリア設定をアップデートする
6. 楽天回線の開通を確認する
参照:お手持ちのiPhone・iPadで楽天回線を使用するための初期設定方法 | 各種製品の初期設定 | お客様サポート | 楽天モバイル
AndroidでのAPN設定
楽天モバイルの回線に対応している端末は、一部のAndroidスマートフォンに限られます。
その他の製品での利用は、動作保証外となるため自己責任での使用となります。
SIMフリー端末だからといって、すべてが楽天モバイルで利用できるわけではない点に注意が必要です。
楽天モバイルで購入したスマートフォン・楽天回線に正式対応している端末であればSIMカードを挿入するだけでネットワーク設定が自動完了します。
自分でAPN設定を行う必要はありません。
一方で、それ以外の端末を利用する場合は、APN(アクセスポイント名)の設定を手動で行う必要があります。
設定を行う際は、以下の情報を参考に入力してください。

楽天モバイルにMNP転入するメリット

楽天モバイルは、その料金の安さに大きなメリットがあります。
楽天モバイルでは専用アプリで電話が完全かけ放題になるなど、データ通信以外のメリットもあります。
- 大手キャリアより料金が格段に安くなる
- 「Rakuten Link」の利用で国内通話料無料
メリット①:大手キャリアより料金が格段に安くなる
楽天モバイルの最大の魅力は、基本料金の安さです。
ドコモ・au・ソフトバンクといった3大キャリアと比べると、大幅に低価格で利用できます。
実際、楽天モバイルに乗り換えることで、2年間で約10万円近く節約できるケースもあります。
さらに、楽天モバイルではさまざまなキャンペーンや特典も充実しており、契約方法によってはキャッシュバックなどの特典を受け取ることも可能です。
申し込み前にキャンペーン内容をしっかり確認しておくことで、よりお得に利用をスタートできます。
メリット②:「Rakuten Link」の利用で国内通話料無料
楽天モバイルでは、専用通話アプリ「Rakuten Link」を利用することで、国内通話料が無料になります。
発信者がRakuten Linkを使っていれば、相手がアプリを使っていなくても無料で通話をかけることが可能です。
さらに、月額1,078円(税込)で海外66の国と地域への通話がかけ放題になる「国際通話かけ放題」オプションも用意されています。
海外旅行が多い方や、海外に住む家族・知人と頻繁に連絡を取りたい方にとっては、高額になりがちな国際通話料を気にせず、コストを抑えて通話できる便利なサービスです。
必要に応じてオプションを活用することで、通話料金をしっかり節約できます。
楽天回線へのMNPに対応している機種

サービス開始当初は、「Rakuten UN-LIMIT」に対応している端末は非常に限られていました。
しかし現在では、楽天モバイルから販売されるスマートフォンのラインナップが拡充されただけでなく、iPhoneの正式対応も進み、楽天モバイルで利用できる端末の選択肢は大きく広がっています。
楽天モバイルから他社に最短でMNP乗り換えする手順

ここからは逆に、楽天モバイルから他社にMNPで乗り換えをする手順を解説していきます。
- [10分]楽天モバイルでMNP予約番号を取得する
- [10分]乗り換え先で申込みをする
※オンラインの場合、SIMカードの到着まで2〜3営業日) - [5分]楽天モバイルの解約手続きをする
- [10分]APN設定をする
手順①:楽天モバイルでMNP予約番号を取得する
まずは、楽天モバイルからMNP予約番号を取得します。取得は、楽天モバイルの会員サイト「メンバーズステーション」から行えます。
ログイン後、メニューから「MNP予約番号発行・確認」を選択し、転出する電話番号に誤りがないか確認してください。
その後、画面下部にある「MNP転出予約番号発行のお手続きに進む」を選択。アンケートの入力画面が表示されますが、必須でない項目は記入しなくても問題ありません。
画面の案内に従って進めていくと、MNP予約番号の発行申込みが完了します。
しばらくすると予約番号が発行され、メンバーズステーション内の「MNP予約番号発行・確認」ページから確認可能です。
手順②:乗り換え先で申込みをする
発行したMNP予約番号をもって、乗換え先のキャリアに申込みを行います。
実店舗窓口やオンラインからなど、各キャリアの用意する窓口から申し込みましょう。番号を引継ぐために必ずMNPでの申込みを選択するよう注意が必要です。
また、契約キャリアによっては通話・通信ができない期間が発生する可能性もあります。事前に詳しく確認しておきましょう。
手順③:楽天モバイルの解約手続きをする
MNPでの乗換えの場合、転出先での回線が使えるようになった段階で楽天モバイルは自動解約されるため、手続きは不要です。
また、楽天モバイルのSIMカードはレンタル品であるため、利用終了後は以下の住所に返却をしなくてはなりません。
【楽天モバイルSIMカード返却先】
〒143-0006
東京都大田区平和島3-5-1 B棟2F
楽天モバイル SIM返却係
手順④:APN設定をする
SIMカードを楽天カードのものと入れ替え、新しいキャリアのAPN設定を行います。
APN設定の値は各キャリアそれぞれで異なるため、同梱のユーザーガイドや公式サイトなどを参考に設定を行いましょう。
楽天モバイルでMNP転入・MNP転出する際の注意点

最後に楽天モバイルでMNP転入・MNP転出する際の注意点を紹介します。
- MNP転出するタイミングは月の前半がベスト
- 楽天モバイルではSIMカード返却義務がある
- 解約後は前キャリアの独自サービスが使えなくなる
MNPに伴い各種費用が発生する場合がありますが、なかにはタイミングを計ることでそれらを軽減させます。
また、古い機種のiPhoneは新プランで使えず、解約後にSIMカードの返却が楽天モバイルでは必要です。
注意点1:MNP転出するタイミングは月の前半がベスト
楽天モバイルの契約は毎月25日締めとなっているため、それ以前に解約ができる月の前半にMNP転出の手続きを行うことをおすすめします。
もし、MNP転出完了のタイミングが25日を超えてしまうと、翌月分の基本料金が発生してしまい、ムダに1月分の支払が必要になります。
注意点2:楽天モバイルではSIMカード返却義務がある
楽天モバイルのSIMカードはレンタル品であるため、返却義務があります。
送料はユーザー負担ですが、郵便で送ればいいため切手代程度ですみます。返送先住所は以下です。
【楽天モバイルSIMカード返却先】
〒143-0006
東京都大田区平和島3-5-1 B棟2F
楽天モバイル SIM返却係
注意点3:解約後は前キャリアの独自サービスが使えなくなる
解約後、前キャリア独自のサービスやキャンペーンが使えなくなってしまいます。
- キャリアメール
- 機器補償
- 割引サービス(複数回線割引・ネット回線セット割引など)
- 保証サービス
とくにメールアドレスは各サービスに連絡先として登録していた場合、情報変更が必要になるため注意が必要です。
また、光回線とセットにして割引を受けている場合など、解約した方がかえって通信費用が高くなる場合もあります。
まとめ
今回は、他社から楽天モバイルへMNPで乗り換える方法、および楽天モバイルから他社へMNPで転出する手順をご紹介しました。
通常、携帯会社を変更すると新しい電話番号が割り当てられますが、「MNP(Mobile Number Portability)」を利用することで、現在の電話番号をそのまま引き継いで乗り換えることが可能です。
かつては、電話番号が変わることが乗り換えの大きなハードルでしたが、MNPの普及により、より柔軟にキャリアを選べるようになりました。
楽天モバイルに関しては、対応エリア内であればコストパフォーマンスの高い選択肢として魅力があります。
サービスエリアはまだ一部地域に限られる部分もありますが、基地局の設置が進み、エリアは順次拡大中です。